ツンデレなペットを飼うことになりまして。 (ページ22)

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22. ページ22

。

『よかった、でもちょっと大きかったかな』

『いや、こんくらいがちょうどいい』

．

ラフな部屋着に着替え終わったタクヤは
『ふぅ』と一息吐いてソファに座る。

こうして見ると本当に普通の男の子だなぁ

．

『ねぇ』

『ん？どうしたの？』

『髪…』

『髪…？』

『濡れてるんだけど』

『え？私は濡れてないよ？』

どっちかっていうと濡れてるのは貴方の方で…

．

『バーカ。あんたじゃないよ、俺が』

『バカって…そんなの知ってます！だったら早く乾かしたらどうですか？また風邪ひいても知りませんから。』

『……』

．

少し強がった口調で返すと膝を抱えて黙り込んでしまった。

さっきからなんなのだろう。

何か言いたいのだろうか？

するとタクヤは何か諦めたかのように

『もういいし』と言ってソファから立ち上がって

脱衣所に向かった。

．

なんなの…何怒ってるの？

私は何かしたのだろうか

一向に理由が分からないまま首を傾げていると

脱衣所からタクヤがドライヤー片手に戻ってきた。

コンセントをさしてソファの下に座りドライヤーで
髪を乾かし始めた。

．

脱衣所でやればいいのに、

なんでわざわざこっちに戻ってきたんだろ…

またも頭に疑問がよぎる

．

『タクヤー、タクヤー？』

ﾌﾞｫｫｫｵｫﾝ…

『……』

．

声をかけるがドライヤーの音で聞こえないのか
反応はせず、ひたすら髪を乾かし続けるタクヤ。

もう…なんな…

……ん？ちょっと待って。

いや、ひょっとしてだけど…

違うかもしれないけど、でももしそうだとしたら

．

…とんでもなく可愛いすぎる。

．

私は自分自身の勝手な半信半疑の憶測に
期待を込めながら髪を乾かしているタクヤから
ドライヤーを取り上げた。

．

『…ｯ？！……なんだよ』

いきなりのことにビックリしたのか

ビクッと体を反応させ、キョトンとした表情を見せる。

．

『髪、乾かしてあげる』

『…は？、』

私はドライヤーを手に取り

タクヤの後ろのソファに座って

ドライヤーのスイッチを入れた。

．