ツンデレなペットを飼うことになりまして。 (ページ19)

今日:27 hit、昨日:56 hit、合計:286,997 hit

19. ページ19

。

『ところで…』

『ん？』

『名前って…？』

『ん？…言ってなかったけ？』

『聞いてませんよ…それどころじゃなくて』

『あぁ……タクヤ』

『タクヤ…くん？』

『…そ。タクヤでいいよ、あんた主人だし』

『はぁ…じゃぁ、タクヤ…？』

『ん。』

．

名前を呼んであげると分かりずらいが

心做しかタクヤは嬉しそうに見えた

本当にペットみたい。

例えるなら…トイプードル？かな…

．

『…ふふっ』

『…何笑ってんの？怖いんだけど』

『ごめんごめん(笑)なんでもない』

．

なんだか想像したら我ながらつい可笑しくなってしまった

だめだめ、本来はちゃんとした人なんだから。

．

『…で？』

『ん？』

『俺だけ名乗らせといて自分は言わねぇ気かよ』

『へ？…あぁ名前ね。私はA、佐野Aです』

『A…ね、ふぅん…』

『え、聞いといてそれですか？』

『べつに？普通にいい名前だと思っただけだけど？』

『え、あぁ…それはどうも…』

『てかさ、…いい加減その喋り何とかなんない？』

『へ？』

『所々使う敬語。何かよそよそしくてやだ。』

『だって他人ですもん』

『は？今日から家族だろ』

『え、…あ、…はい…』

『ん。分かればいんだよ』

．

え、この子ひょっとして…もしかして

とっても分かりずらいけど、ツンデレってやつですか？

あの誰もがキュンとして魅了されるという…

どんだけの武器を兼ね備えているんでしょう

本当にペットだったらどれだけ優秀なことか

もうどっちが飼い主かわかんなくなってきたけど…

．

．

．

ｸﾞｰ……

．

．

ふと一瞬静まった部屋に可愛いらしい音が響く

音の方へと視線を落とすと

案の定、自分のお腹を見ながら手を抑えてるタクヤからだった

そっか、お腹すいたよね。

．

『ふふっ…ご飯にしよったか？』

『……うん』

お腹が鳴ったのが恥ずかしかったのか

少し伏せ気味にタクヤは小さくコクンｯと頷いた

やっぱり、可笑しくて可愛いな…(笑)