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「お疲れ様」
閃光を利用し警官に扮した姿のままホテルから出てきた快斗に声をかけ素早く持ってきていた服を渡す。お得意の早着替えで瞬きした次の瞬間いつも通りのラフな姿をした快斗の姿があった
「ご苦労さん。いつもサンキュな」
ポンポンとまるで子どもをあやすかのように頭を撫でてくる快斗をジッと見てるとなにを勘違いしたのかにやにやしながら顔を覗き込んでくる
「ほんと〜に、雪乃チャンは俺の警官姿好きねぇ〜。今度警官と怪盗のイメージプレイでもするか?....ちょ、イダダダダッ!!?」
どこぞのエロオヤジみたいな事を言って腰を抱いてくる快斗の手を容赦なく摘んでいると観念したのか冗談だって〜と言いながらサッと手を離した
「おっまえ!マジシャンにとって手は命なんだからな!」
「知らない!!バカイトが馬鹿なこと言うからでしょ!」
キッドの時は紳士なのになんで本性はこんなエロガキなのだ...!いやそれも含めて好きになった私も大概だが、、、!
キッドが紳士なばっかりにもしかして反動的なアレでこんな風になってるだけなのか?
くだらない事を考えてると手の平をヒラヒラ振りながら話しかけてくる
「にしてもアレが例の従兄妹クン?」
「そー!どうよ、私の従兄妹は!」
「ま、想像以上だな...これからの仕事にやりがいが出てきた」
自慢の従兄弟を褒められてまるで自分の事のように嬉しくなって思わず笑顔になってしまう
「難しくなった?」
「いーや?俄然燃えてきたね!...まぁ雪乃嬢が私以外の男に尻尾を振ってるというのは面白くないですが」
ポンと音と共に煙幕の中からは純白の衣装を纏ったキッドが出てきた
「ちょ、ここまだ街中!」
いくら監視カメラがなくて人通りがないからってリスクが高すぎる。慌てふためく私のことなどそっちのけでそっと私の手を取り指先に口付けをする
「私も紳士の前にひとりの男ですので...さすがの私も目の前で浮気をされてはどうなるかわかりませんよ?」
「は、はい...」
辛うじて出せた返事ににこりと笑顔を貼り付けたまま私の身体を持ち上げそのままハンググライダーで快斗の家までお持ち帰りされたのであった
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作者名:ぽむ | 作成日時:2023年5月5日 1時