〇ハイジャック ページ32
｢動くな！｣
ラウンジに避難した乗客達には、銃が向けられていた。
｢誰じゃ、お主らは！？｣
鈴木次郎吉がそう叫ぶと、後からラウンジに入ってきた短髪の男が、怪しく笑った。
｢アンプルは見つかったか？｣
｢まさか、赤いシャムネコ！？｣
｢この船内に爆弾を仕掛けた。大人しく言うことを聞いていれば、爆破したりしない｣
男はそう言って、次郎吉に銃を向けた。
男に向かってルパンが吠え、次郎吉はルパンを大人しくさせた。
｢…首尾はどうだ？｣男は携帯無線機にそう言った。
[キャットF、コックピット制圧！]
[キャットD、厨房制圧！]
[キャットC,E、スカイデッキ制圧！]
｢キャットB、客室には誰もいません！｣
それぞれの部屋を制圧した部下達は、すぐにそう応答し、男は部下達の報告に頷いた後、再び次郎吉に銃を向けた。
そして船内放送で、クルーを全員ダイニングに集めるように指示を出した。
ラウンジとは反対側にあるダイニングに飛行船の乗客全員が集められた。
｢この飛行船は我々赤いシャムネコがハイジャックした。全員、携帯電話を出してもらう！｣
男の部下達が袋を持って携帯電話を回収に行く。
｢お父さん、起きて…！｣と蘭は携帯電話を袋に入れながら、ぐっすり寝ている小五郎を揺する。
それでも、小五郎が起きる気配はしなかったため、一人の部下が小五郎の元へと行き、胸ポケットから携帯電話を取りすぐに袋に入れた。
次に、阿笠博士が袋に携帯電話を入れた。
その背後にいた灰原は｢私、持ってない｣と首を横に振り、その隣にいたAは首をかしげながらも携帯電話を袋の中に入れた。
回収者がウェイトレスの方へ行くと、灰原は隠していた探偵バッチを取り出し、コナンに連絡をとった。
｢俺だ｣
｢飛行船がハイジャックされたわ｣
｢やっぱりか…ヤツらの要求は？｣
｢要求を聞こう。金か？それとも服役中の仲間の釈放か？｣
中森警部は相手にそう問うた。
男はフンと鼻で笑うと話し始めた。
｢俺たちは鈴木財閥に恨みがあるんだ。特に、この爺さんにはな｣
｢確かに、ワシは十年前、警察に手を貸した。うぬらの組織を潰す為にな。じゃから、人質にはワシがなる。他の者は解放してくれ！｣
｢そういうわけにはいかねえ｣
｢何故じゃ！！｣
｢…飛行船はこのまま大阪へ向かう｣
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御坂ナツキ(プロフ) - 木実こむぎ@Project KZ副隊長さん» ありがとうございます！とても嬉しくて執筆の励みになります！！頑張ります！！ (2019年8月19日 21時) (
レス) id: 7ae93b89fc (このIDを非表示/違反報告)
木実こむぎ@Project KZ副隊長(プロフ) - はじめまして！少し前から読ませていただいている者です。このお話の独特な雰囲気がどストライクです！これからも楽しみに待ってます！ (2019年8月19日 18時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御坂ナツキ | 作成日時：2019年8月14日 21時
