episode1 ページ3
退屈な課題をやりながら、外を眺めると外にいた女子がこちらに気づいたようにそわそわとしだす
きゃあきゃあ言いながら俺の名前を呼ぶ
それを一瞥するとこっちみたよなんて喜んで黄色い歓声を上げていた女子が去っていく
その姿を眺めながら考えて仕方ないことを考える
人を好きになるというのは
どんなことなんだろう外見が最初？それから人となりをしって不確かな感情に名前がつく？
恋というものははっきりいって曖昧でなんとでも言えてなんとも言えないだろう
誰と限らず他人を気になるきっかけなんて最初は外見や声目に見えるもので
判断する
目に見えないものまでは分からないから
性格なんて…深く知りたいと思い、ずっといても分からないものなのだ
あの子らが好きなのは俺じゃなくて俺の顔
大きな欠伸をするとバシッとクラスメイトにナナにノートで叩かれる
「〜いってぇ…何すんだよなんで殴んの？」
「潤、お前なぁ」
「今結構強くなかったか？おっそろしい奴だな」
強くは叩かれてないけどいきなり叩いてくるやつに文句をいうと
「潤、潤、潤」
名前を呼びながらシャーペンの消しゴムのついてる方でツンツンと頰を突いてくる
地味に痛くて、地味に痛いことを抗議の声を上げる
「いてぇって、ばかナナ」
そんな俺の抗議も虚しく、スルーして会話が再開される
「お前その顔で、そんな欠伸するんじゃねぇよ…綺麗なのに勿体ない」
こんなことをいうのは彼の家が少々特殊で、躾が厳しく態度は洗練されたものを受けているからで
詳しくは言えないが、こいつは普通の男子っぽいのに仕草はとても綺麗だ
こいつは俺からみてもとても綺麗だった
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作者名：消しゴムとボールペン | 作成日時：2017年9月10日 10時
