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なんでだろう。

さっきから岩本さんが佐藤胡桃さんにペタペタされてる。



そして、それを見てちょっと嫌な気持ちになっている私。



岩本さんは軽く受け交わしてるけど。



「なあに、ひかるのこと気になるの?」


「深澤さん」



なんでだろう。この人には本音が漏れてしまう。



「私、綺麗じゃないんです。だから、男性といるなんてダメなんです」


「なあにそれ。誰かが言ったの?」



「私、岩本さんが思ってるような人間じゃない。男性苦手だし、可愛くもなければ、花開いたわけでもなくてっ」


「ひかるにAちゃんのこと教えてあげないの?」


「嫌われちゃうのは嫌です」


「おれはあ、内容なんてわかんないけどさ。ひかるが嫌うかはひかるしかわかんないじゃん?」




「だって、私、身体売って周りのメンバーの仕事取ってたんですよ」



「え、?」


「自分の仕事はなかった。いつでも、売れるようにって」



「なにそれ、Aちゃんがやりたかったの?」




そう言われて、ハッとした。

メンバーのためって頑張ってきていたのは事実。



知らないおじさんプロデューサー相手に仕事して、メンバーの仕事確保して。

私の仕事は何も入らない。


私はなんであんなことをやり続けてたんだろう。



「わからない、そんなのわからない。けど、今の岩本さんを見てるのはしんどいです」




「深澤さん、この気持ちはなんですか?」





「どう考えても恋だろ」


「恋だね」


「俺でも分かりますよ、恋です」




後ろから渡辺さん、宮舘さん、目黒さんの声がして。



「ごめん、聞くべきじゃなかったかもしれないし、クッソ腹たってる」




でも、なんて続けられた言葉は優しかった。




「ひかるは多分、受け入れられなくても優しいから。きっとだいじょおぶだよ」




その言葉を聞いて、少し勇気が出た。

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作者名:なあちゃむ | 作成日時:2022年4月30日 0時

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