クラウンゲーム4 ページ40
「参加受付終了...それでは2回戦スタートです。」
レロ・ローさんの合図によって2チームが控室から出てきた。
緑の女の子のチームは1人が王冠を守り、2人がそれぞれ敵チームを迎え撃つ形になっているのを見ると、前半に出たチームの方が不利に感じる。
そのはずなのに、王冠を持っているチームは優位な状態でゲームを進めていた。
『やっぱり強いですよね...あの王冠を守ってるチーム...』
「まぁ始動武器をまともに扱えるヤツがいるんだし、そうそう負けるようなレベルじゃねーだろ。」
「確かに、始動武器もあるけど...あの剣士君もなかなかだよね。もし僕らが出る番まで居るのならぜひお手合わせ願いたいな。」
「剣士のマッチアップがお前だとして...他はどうすんだよ。あのトカゲ女は俺が抑えるとして、ジャージ男にAあてるのは心許ないだろ。」
仰る通りです...。
私に出来ることと言えば、幼少期から習っていた弓道だけ...最初の試験で出た不思議な力については、その後一度も扱えていない。せめて戦闘の時には邪魔にならないようにしないと。
そう思っていると、フォン君がいきなり立ち上がり控室の入り口に近づいた。
「波使いに...起動した始動武器...恐らく緑の4月か」
「ん〜、ホントに始動武器だとしたら厄介かもね〜...まぁどんな戦い方をするのか他チームの情報が入ったのは収穫だね。」
波使い...緑の四月？
全く2人の話についていけず困惑していると、ハオランさんがかみ砕いて教えてくれた。
波使いは神之水と呼ばれる水を操って戦闘の補助や、攻撃をする人のことらしい。そしてあの緑の女の子が使っている武器は13月シリーズという武器の1つでかなり強力なもの...。
フォン君から"そんなことも知らなかったのか"という呆れが含まれた目で見つめられている気がするので、気付かないふりをして会場を見つめる。
ずっと玉座に立っていた緑の女の子が、いきなり視界から消えた。
グオオンッ
凄い風圧と共に隣の控室が破壊された音がする。
入り口付近にいた私は情けないことに風圧で部屋の奥に叩きつけられていた。
視界の平行感覚が歪む。ハオランさんとフォン君が焦った顔で覗き込んでるのが分かる。
フォン君に至っては泣きそうな顔をしていて、罪悪感が募る。
『だ、じょうぶですから...少し休めば...』
無事を伝えたかったけれど、瞼が言う事を聞かず視界は暗闇に閉ざされていった。
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作者名：ちゃみっする | 作成日時：2021年11月26日 20時
