異世界から"運命の人"として召喚された運命にあらがう為、塔を登ります。 (ページ17)

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出会いのち別れ9 夜視点ページ17

「ラヘル行かないでくれ...行くな！君が行くなら、僕は死ぬまでついていく！」

そう伝えた後、ラヘルは微笑みと共に姿を消した。

Aが消えて少し経過した後、ラヘルも塔を登るために姿を消した。どうして2人とも僕を置いていくんだ。僕に世界のすべてをくれたのはラヘル、君なのに...。

Aが居なくなってから、ラヘルの様子は可笑しかった。僕もショックだったし、彼女を探そうとラヘルに伝えるもラヘルは"盗まれた"と怒りながら地面に跨っていた。

そこからラヘルは様子が変なことが多く、僕と一緒にいない時間も少し増えたように思っていた。そこから、今ラヘルが塔へ行ってしまう迄に至る。

「ラヘル、君が行くなら、僕も必ず塔へ行くよ...」

そう思い拳に力を入れた際、手首にチリっとした痛みが走った。見てみると、Aからもらったブレスレットが"1人じゃない"と語り掛けてくるような気がした。

「そうだよね.....ありがとうA...」

彼女は今ここに居ないけれど、ラヘルが言っていた。彼女は塔に盗まれたのだと。だからきっと、ラヘルが居るところに彼女も居るはずなんだ。

彼女を連れ戻して、ラヘルの願いも叶えて、また3人で暮らす。僕の世界には、彼女達さえいればいいんだ。僕の世界を修復するためにも、僕も塔を登る。

どう思った時には、目の前に巨大な扉が表れていた。