異世界から"運命の人"として召喚された運命にあらがう為、塔を登ります。 (ページ15)

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出会いのち別れ9 ページ15

『な、に....これ、一体...！！！』

身体、熱い...自分を見てみると、体から金色の光が漏れ出している事に気づく。怖い。この世界に来て、分からない事だらけの中やっと手に入れかけた平穏が崩れていく音がする。また自分に理解できない事象が起こっていると思うと、震えが止まらなかった。

『だ...れか！夜、ラヘ、ル...う..ぁ...』

喉からうまく声が出せない。なんとか絞り出せた声で夜とラヘルに助けを求めるけれど、情けない声が喉から洩れるばかりだった。

"こんな所に落ちていましたか。探しました。"

頭に直接、男性の声が響き渡る。青年とも、初老の男性とも取れる不思議な声音だった。

"彼の方がお待ちです。貴方に此処へ長く居られては困ります"

男性の声とともに、私の身体の光も増していく。直感的に、ここではないどこかへ飛ばされる、そう感じた。いや、いやだ...折角ここに居場所が出来たのに、どこにも行きたくない...

そんな時、大きな扉が私の前に現れた

自分の本能が強く"この扉を開けろ"と告げてきた。この光に閉じ込められる前に、早くこの扉を自らの手で開き、入らなければならない。そう考えたとき既に私の手は扉へ届いていた。

"あなたはそちらを選択されますか...やはり、変わったお方だ"

最後にそう聞こえた言葉を最後に、私の意識は途切れた。