一次選考3 ページ25
冴くんにRINEで「弟くんと試合することになったよ」って送ったら凄い量の不在着信と怖いオーラを発したメッセージが入ってた。
見るのが恐ろしくて内容には目を通せていない。
きっとこれでいいんだ…多分…。
今日から糸師凛くんがいる伍号棟の試合に参加する。私というイレギュラーが入るのは"才能の原石達"の選考を不平等なものにしてしまうんじゃ、って不安もあった。
そんな私の懸念も絵心さんにはお見通しで、私は他のチームに比べて総合力が低いチームへ参加する事になっているらしい。失礼かもしれないけど、私が入ることで大きな綻びが生まれるわけじゃないと言われた気がして安心した。
スパイクをバックに詰めて部屋を出る。
久しぶりの試合だし、鈍ってないと良いな。
ぼんやりと考えながら歩いていると曲がり角から出てきた大きな身体にぶつかってしまった。
「っと、悪いな。怪我してねえか…？」
上を見上げるとオレンジ髪の男の子が仔犬のような目でこちらを見下ろしていた。
『全然大丈夫だよ、私こそぼーっとしちゃっててごめんね』
気にしないで、と伝えると彼の八の字になった眉が少し緩んだ様に感じた。
「…思ったよりちゃんとした奴なんだな。怪物っつーからもっと怖い感じをイメージしてたわ」
先入観って良くないな、と言いながら照れたように笑っている。
怖いイメージ...確かに、潔くんや廻達以外からしたら、いきなり現れて世界一になるって啖呵切ったイメージしかないのかもしれない...。
この後一緒に試合するチームメイトからもそう思われてたらやりにくいな…と思っていると目の前に大きな手が差し出された。
「俺、國神錬助。今日はトレーナーじゃなくて練習か？」
『Aです、よろしくね。今日はトレーナーじゃなくて、選手として他の棟の一次選考に混ぜてもらう予定で...。」
「お！奇遇だな、俺もこれから一次選考の予定なんだ」
自己紹介をしながら差し出された手を握ると"お互い頑張ろうな"と爽やかな笑顔を向けられる。
昨日は絵心さん、今朝は冴くんで殺伐とした空気に晒されてたからかな...
國神くんからマイナスイオンを感じる...
久しぶりに感じた人間らしい温かさに感動していると"じゃあな"と背を向けて彼が歩き出した。
「國神くん！お互いがんばろうね！」
慌てて彼の背中に声を掛けた為少し声が大きくなってしまった。
恥ずかしくなり口を抑えていると、振り返った彼が軽く手を上げて照れたように笑っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1213人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ブルーロック」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
koko(プロフ) - 冴がいるのはカナダじゃなくてスペインだった気が…？作品めちゃ面白いです！ (12月10日 10時) (
レス) @page17 id: 95a531e517 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 夢主が、サッカーするのってあんまりないから嬉しいです！ (2023年3月16日 14時) (レス) @page25 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！夢主逆ハー大好きなので嬉しいです！無理せずに頑張ってくださいね！ (2023年3月16日 14時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
くちぱっち - 最高って言葉しか出てこないありがとうございます最高です (2023年2月28日 2時) (レス) @page25 id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
himari20051117(プロフ) - ノエルノア現在最推しなのでありがとございます！ (2023年2月19日 23時) (レス) id: 60346321b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃみっする | 作成日時：2022年2月13日 1時
