好きじゃない (黄) (ページ19)

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帰り道ページ19

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強がりであんなことを言ったものの

思ったよりも身体は正直で

緊張の糸がプツンと切れると

電池切れのおもちゃみたいに動けなくなった。

亮「笑い事ちゃうし、ほんまにもう」

目線を低くした亮が私を抱き上げて
立たせてくれる。

亮「荷物持っといたるから家まで頑張り」

亮が私の腰を支えてくれて
まるで恋人が寄り添うように歩く。

家の明かりが見えてきた頃には既に10時を回っていて

母「おかえり、二人ともデート帰り？」

父「亮まさかAに手出してへんよな？」

既に酔っ払っていて上機嫌のお母さんと
酔いが覚めて真っ青な顔をしているお父さん
に迎えられた。

亮「そんなんちゃうし！たまたま帰りにAが知らん…」

『私お風呂入ってくるね！亮も着替えてきなよ』

亮の腕を無理やり掴んで二階に上がる。

亮「なあなんで黙っとくん？」

『ただでさえ心配性のお父さんにそんなこと言ったら明日から毎日送り迎えするとか言い出しそうだし、それに本当に大丈夫だから』

亮はまだ不服そうだったけどこれ以上心配かけるわけにもいかないし…

掴んでいた腕をそっと離し、自分の部屋に入る。

しばらくすると亮の部屋の扉が閉まる音がして
なんとか納得してくれたみたいだ。