本日ハ雲天ナリ・・・122 ページ28
sideA
血が出ている首に申し訳程度の絆創膏を貼り、また廊下を歩く。
すると、不意に後ろから控えめに袖を掴まれる。
『・・・?』
振り返ると、私が予想していた目線とはだいぶ下に、青い髪の短刀・・・
『小夜さんでしたか、私になにか・・・?』
小夜さんは少し俯いていた顔を上げ、私の目を真っ直ぐ見る。
小夜「・・・お願いがあるんだ。
・・・兄さま達を・・・治して欲しい・・・・。」
余程お兄さん達が心配なのだろう。
袖を掴む手が震えている。
こんなの、断れるはずがない。
『・・・・・・勿論。
・・・ただ、お兄さん達を手入れするなら、一緒に小夜さんも手入れさせていただきますからね。』
小夜さんは、その条件にも、「分かった。」と快く頷いてくれた。
___
手を引かれて向かったのは、左文字の部屋。
『・・・失礼します』と一声かけて襖を引くと、
大倶利伽羅さん同様に奥の方で横になっている宗三さん。その横に座っている江雪さん。
宗三「・・・・・・何しに来たんですか・・・。」
部屋に入るやいなや、私のことを鋭く睨む宗三さん。
江雪さんは、困ったような顔をして宗三さんを見つめる。
『・・・皆さんの手入れをしに来ました。』
宗三「・・・そんなもの・・・頼んだ覚えはありません。・・・早く・・・帰ってください・・・。」
確かに、宗三さんに手入れをして欲しいと言われたわけではない。
・・・でも、さっき小夜さんが私に話してくれたことを考えると、どうしてもここで引けなかった。
『・・・私がここへ来たのは・・・他でもない小夜さんの頼みです。
まあそれは、私の口から言うことではありませんから・・・、ね、小夜さん。』
小夜「・・・うん。」
小夜さんが私に頼んだという事が信じられないようで、宗三さんも江雪さんも驚いて小夜さんを見る。
宗三「・・・お小夜、が・・・?」
すると、小夜さんが二人の元へ歩み寄り、ちょこんと正座した。
小夜「・・・本当だよ。
・・・・・・僕が主さまに、兄さま達の手入れを頼んだんだ。」
宗三「・・・っ・・・どうしてそんな・・・」
小夜「・・・少しだけ・・・・・・話を聞いて・・・。」
そう言って小夜さんは、ぽつりぽつりと話し始めた。
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よぺ(プロフ) - 慧さん» なるほど!他の方のご意見も参考にしたいので、もう少々お待ちくださいね。私は最近の新しい刀剣をあまり知らないので、勉強してきます!(笑)。貴重なご意見とコメントありがとうございます! (2020年4月19日 7時) (レス) id: e6cb5ae321 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 最近の刀剣も出して欲しいです!伯仲の絡みとか、にゃんぜんとちょもさんとか好きなのでw続編も楽しみにしてます! (2020年4月18日 22時) (レス) id: e2c5fada44 (このIDを非表示/違反報告)
よぺ(プロフ) - 鶴難さん» コメントありがとうございます。なるほど、確かにちょっと度が過ぎているものがありますね・・・。もっと考えるべきでした。これからのお話の参考にさせていただきますね!ありがとうございますm(__)m (2020年4月16日 22時) (レス) id: e6cb5ae321 (このIDを非表示/違反報告)
鶴難 - 夢主ちゃんは戦場では野性的過ぎて「戦場はサバイバルですから」と言ってもおかしくなく見えてきてしまった...まぁ、そこも魅力的なんだけどさぁ...みんなが後々苦労しそうだなぁ...。 (2020年4月16日 17時) (レス) id: 0c71642d46 (このIDを非表示/違反報告)
よぺ(プロフ) - 霞さん» おわぁ、なんて嬉しいお言葉・・・!(*ノД`*)・゚・。私も自分で書いてる癖に、早くハッピー本丸のお話が書きたくてうずうずしてます(笑)。まだまだ頑張ります、コメントありがとうございました! (2020年4月13日 16時) (レス) id: e6cb5ae321 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よぺ | 作成日時:2020年4月1日 17時