本日ハ雨天ナリ・・・60 ページ14
sideA
岩融さんの目には、前任の姿が見てえているかのように、強い怒りと恨みが映っていた。
彼の体がもしも傷一つ負っていなかったのなら、
その大きな薙刀で、今頃私は体ごと薙ぎ払われていただろう。
それよりも私は、
こんなに傷だらけになってまでも尚審神者を恨み続ける彼の姿がなんとも痛ましく感じた。
そして私は、これから自分のすることがどれだけ今剣さんにとって重要かを今更知った。
決定権が今剣さんにあったとはいえ、
全ての責任は私が担うのだ。
もしもここで岩融さんが折れてしまったならば、
きっと
そうなれば、もう取り返しがつかないのは見え透いている。
でも、今の私の霊力では・・・
(・・・力が強すぎる。)
どうにか弱めることは出来ないだろうか。
頭の中で色々出来ることを模索していると、
ふと、清光と安定、山姥切が言っていた事を思い出す。
__(清光「三人同時に手入れしちゃったのはびっくりしたけど・・・」)
__(安定「霊力は色んなものに使えるからね」)
__(山姥切「・・・空気に使うのは勿体ないんじゃないか?」)
・・・そうか、
『・・・今剣さん、今から手入れを行うのですが、出来れば岩融さんと一緒に手入れをさせてもらえないでしょうか。』
今剣「・・・え、ぼくも?」
『・・・はい、岩融さんの横にいてもらえれば大丈夫なので。・・・残念ながら今の私の霊力は、強弱の融合がききません。・・・・・・ですから、私がなるべく離れた場所から霊力の風を送ります。』
今剣さんは、突然の私の提案にも、一生懸命理解しようとしてくれた。
『・・・恐らく、すこし強い霊力が行くと思います。ただ、それを岩融さんが一人で受けるのは危ないので、今剣さんと岩融さんで霊力を半分こずつ受けれるようにして欲しいんです。』
今剣「・・・わかりました。ぼくは・・・いわとおしのそばにいます。」
『・・・・・・ありがとうございます。・・・後は私にお任せ下さい。』
そう言って私は襖を全開にし、
縁側から庭に裸足で降りた。
そこまで離れると思わなかったのか、今剣さんが小さく驚いている。
私はスっと手を部屋の方向に真っ直ぐ伸ばす。
(・・・大丈夫だ、今の私に霊力はあまりない。)
『・・・行きますよ。』
今剣さんが、岩融さんの手をギュッと握った。
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よぺ(プロフ) - 鳳李千歳さん» 私ももう趣味の一環として書いているので、全然苦ではないですよ(笑)。楽しんでいただけているのなら、本望です(*^^*)。まあ、程々に頑張ります! (2020年3月27日 18時) (レス) id: e6cb5ae321 (このIDを非表示/違反報告)
鳳李千歳(プロフ) - やはりとても面白いですが、無理はしないで下さいね? (2020年3月27日 13時) (レス) id: 94a41c4f40 (このIDを非表示/違反報告)
よぺ(プロフ) - 鳳李千歳さん» わああ!ありがとうございます┏○┓。そうですね、結構序盤で長めに使ってしまったので、伊達のお話が終わったら、長谷部くんとかの絡みを作りたいと思います!千歳さんの小説が出来たら読んでみたいですね!ご意見ありがとうございます! (2020年3月27日 7時) (レス) id: e6cb5ae321 (このIDを非表示/違反報告)
鳳李千歳(プロフ) - とても面白かったです!一期か、へしべ(圧し切り長谷部)、亀甲と夢主ちゃんの絡みがほしい…。というか夢主ちゃんとっても可愛いです!!僕もこんな小説書けるようになりたいです!尊敬しました!ぜひ体調に気を付け頑張ってください!!!応援してます! (2020年3月27日 3時) (レス) id: 94a41c4f40 (このIDを非表示/違反報告)
よぺ(プロフ) - Λさん» ありがとうございます!そう言って頂けてとっても嬉しいです(*´ω`*)。完結までは頑張りたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2020年3月26日 19時) (レス) id: 737a10364d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よぺ | 作成日時:2020年3月24日 9時