第23話 ページ23
「いらっしゃいませ。2名様でしょうか?」
「あぁ。」
「お席にご案内いたしますね。」
そう言って笑顔を浮かべて歩き出した店員さんの後を私達も追うと、窓際の席に案内されて向かいあわせで座る。
早速メニュー表を開いた私に、トントンとシャワルマサンドを指さす綺麗な手。
「ここはシャワルマサンドが美味しい、あとパニプリも。オススメだ。」
「ならアルハイゼンのオススメに従ってその2つにしよ〜!あっ、でもビリヤニも捨てがたい…でも食べ切れるかな…。」
折角オススメしてくれたのだ、食べない手はない。だがしかし、私の舌は我儘なことにビリヤニも喰らいたがっている。
私の胃はそんなに大きくない、3つ頼もうものなら、破裂して終わりだろうと、どれを削るべきか、やはりアルハイゼンのオススメ通りに食べるのが良いだろう。と脳内会議していると、目の前の彼は店員を呼んで、シャワルマサンドを2つとパニプリを1つ、あとビリヤニも1つ。それとコーヒーを2つ。以上だ。と注文を終え、メニュー表を持ってパチクリと瞬きする私を見つめる。
「わ、私そんなに食べれないよ…?」
「君一人に全部食べさせようとは思っていない、俺と二人で分け合えばいい。食べたいものは食べるのが一番だと思うが、君はそうは思わないか?」
「お、思います…。」
彼の問にそう答えると満足そうに1つ頷くと、彼はそうだ。と布カバンへ手を伸ばした。
疑問符を浮かべながら、彼が次に起こす行動を待っていると、白い袋をこちらに差し出してくるので、私はそれを受け取った。
「何?これ。」
「開けてからのお楽しみだ。」
「開けていいの?」
「あぁ。」
コクリと頷いた彼を見たあと、ゆっくりと袋を開けて中身を取り出すと、それは緑に輝く宝石を中心に可愛らしくそして派手過ぎないデザインのネックレスが出てくる。
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作者名:やたお | 作成日時:2023年2月13日 16時