恋の草原核は果たして開花するのか (ページ2)

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第2話ページ2

｢ん〜！いい空気！お外最高〜！｣

玄関の鍵を閉めて、ぐ〜！と思い切り伸びをする、ジワジワと照りつけてくる太陽が心地よくて、思わずホッと息をこぼす。

さて、今日は何処へ行こうか。そうだ、この前ハリードさんのお店の傍でパティサラを見つけた。パティサラは育てるのが難しい花だ、なかなかお目にかかれるものではない。そんな珍しい花が野生で生えているのを見れるのだ、花が咲いている今のうちに眺めておくのが吉だろう。

そうと決まれば、向かう先はパティサラの元である。活気溢れる人々の声をBGMに私はせかせかと歩き始めた。

｢やっぱり、すっごく綺麗…。｣

記憶を引っ張り出して、パティサラが咲いていたであろう場所へ向かうと、パティサラが1輪だけぽつんと咲いているのを見つけた。

キラキラと白く美しく咲く花は、遠目からでも目を引いた。今にもチリンチリンと音を鳴らして踊り始めそうなその美しさは、生論派の私の目を惹くにはそう難しくなかった。

その花弁には触れずにジロジロと観察をする。そよそよと風に揺れる度に、甘い香りを撒くそれは、まるで踊り子の様だった。道に座り込んでひたすらにパティサラを見続ける私を不審に思ったのか、合成台の横にたってる男からの視線をヒシヒシと感じる。

不審者じゃないよ、ただの君と同じ学生だよ。そんな目を向けないで。そんなことは思いつつ、観察することを辞めるつもりは無いので、彼の視線は無視しながらまた私は考え始めた。