暗い闇 ページ37
「……どこや、ここ。」
昔もこんな事あったな。と思いつつ、彼は死への覚悟をする。
「また暗いなぁ……」
誰もいないのに、構ってほしがり屋の彼は独り言を呟く。
すると、周りがぼんやりと光り出す。
気づけば目の前には、いつかの少女がいた。
『あれ……また居る。』
彼女は彼に近寄る。
「……メイド、さん？」
『こりゃあまた重傷ですね。事情をお聞きしても？』
1メイドに話しても仕方ない気もするが、彼は話し出した。
戦争中だった事、急に相手が強くなった事、それにやられた事、それに、自分の国が滅びそうな事。
『…………一つ、お願いがあります。』
それを聞いたかの彼女は真剣な眼差しで彼を見る。
「なんや。……俺はもう無理やけどな。死にかけや。」
『……トントンに伝えて。貴方に渡した黒い宝石に、祈りを捧げてって。急いで！』
彼女は何かを使う。
すると彼の傷が、すこし塞がる。
「少し治ってる……？」
『それは時を戻しただけ。数分後には元通り。急いで！』
乱雑に彼女は彼を転移させた。
……
いつにもなく慌てていたメイドさん。
そして俺は気付いたら瞬間移動で、グルッペンがいる前にいるトントンの前に来ていた。
「……ゾム！？なんでここに？」
「なぁトントン……聞いてや。メイドさんからの伝言。……渡した黒い宝石に、祈りを捧げてって。」
「祈り？何については祈ればええんやろ……」
「取り敢えず早くしてや！」
俺が急かすと、トントンは宝石を持って、……なんで持ってるんやろ。ただ目を伏せて叫ぶ。
「頼むっ！グルさんを、ゾムを……皆を！この国を助けてや！」
するとその石は光り出し、砕ける。
「どうなったん……や？」
……だんだん傷が傷んで来る。
「……何も起きへん。」
軽く絶望する声。
「俺、そろそろ限界や……」
そして同時にインカムにも連絡が。
「戦線が……崩れ……る。全員……生きと……るから……安心しろや…… 」
そして通信は途絶えた。
……その瞬間。
空間が歪み、空は、赤、青、黄色……チカチカと点滅する。
それは滅びを表すのでは無いか。そう心配するが、何故か心の底からは安堵が溢れる。
「あれ？傷が塞がっとる。」
俺の体には、疲労感しか残っていなかった。
そして、歪んだ空から、真っ黒な龍が現れた。
「なぁゾム。俺ら、やばいもん呼んだんちゃう……？」
「世界、終わるかもな……」
最期の会話になるかもしれんな。これ。
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階梯(プロフ) - 紫音さん» ありがとうございます！終わりに何回か迷ってたんで、褒めて貰えて嬉しいです！お星様まで……ほんとにありがとうございます！ (2020年5月11日 14時) (
レス) id: 64ec12ca01 (このIDを非表示/違反報告)
紫音 - 夢小説って終わりを書くのが難しいですが、この作品は終わりがきっちりしてて面白かったです♪お星様一番右側を押しました！ (2020年5月11日 14時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
階梯(プロフ) - 天華さん» ありがとうございます！最近また見てくれている方が増えて嬉しいです！応援、ありがとうございます。 (2020年5月4日 16時) (レス) id: 64ec12ca01 (このIDを非表示/違反報告)
天華 - 完結おめでとうございます！！私は最近この作品を知ったのですが、面白かったです！これからも頑張って下さい！ (2020年5月4日 15時) (レス) id: 55b3851b74 (このIDを非表示/違反報告)
階梯(プロフ) - ふかさん» 読んでいただきありがとうございます！！！これからも頑張りますので、是非是非応援してやって下さい！！ (2020年1月18日 18時) (レス) id: 98e981bcd0 (このIDを非表示/違反報告)
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