36.食い違い ページ39
「･･･彼女は不思議な人であった。何時も僕を見透かしているようで恐ろしささえ感じるほどだ」
あぁ、確かに恐ろしいやつだ
知れば知るほど彼女が分からなくなる
「彼女があの出来事をまさか友人に話すとはね･･･君は相当信頼されているんだろう」
「え、そうですかね？詳しい内容は教えてくれませんでしたよ」
「あれだけ凄惨な事故だったからね。記憶障害があってもおかしくない」
間髪入れずに彼女が反論する。
『いや覚えてますけど。彼に話す機会がなかっただけで』
(どんな事故だったんだ？)
『線路に飛び込んだだけさ』
「えっ、嘘だろ！？」
あっ、またやらかした。
慌てて手で口を隠したが時すでに遅し
でも今のはさすがに驚くだろ。そうでもない？
「･･･ま、まぁ、驚くよね」
「あ･･･すみません、つい素が出てしまって」
「気にしなくていい。だが、君に一つ聞きたいことがある」
「何でしょう？」
「――君は岸辺さんと出会って何か不思議な出来事がなかったかい？」
ある、逆に不思議なことしかない。
「ありますよ」
「･･･人が亡くなったとかは？」
「あー･･･今回の出来事が初めてですね。何せ、心中ですから」
「彼女が好きそうな手段だ。かの作家のように昔、心中相手を探していたな」
知っていたなら止めるべきでは…？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茄子2(プロフ) - 奏葉@TRPG廃さん» 応援ありがとうございます。是非、これからもお読みになっていただけると嬉しいです。 (2016年9月7日 16時) (
レス) id: 227a07cc88 (このIDを非表示/違反報告)
奏葉@TRPG廃(プロフ) - せ、世界観や文章、登場人物のぐじゃぐじゃな心情とか…もう、凄い素敵でした…！本屋さんにある小説くらい迫力があって一気に読み進めてしまいました。更新、是非頑張って下さい！陰ながら応援させて頂きます。 (2016年9月6日 17時) (レス) id: 3ff4ffe414 (このIDを非表示/違反報告)
茄子2(プロフ) - 霧憑 幻さん» ご指摘ありがとうございます。修正しました。 (2016年5月5日 22時) (レス) id: 45bd06207d (このIDを非表示/違反報告)
霧憑 幻(プロフ) - ページ2のほうで、「彼とうまくいってないのかな」でしょうか？「ないなかな」になってます (2016年5月5日 21時) (レス) id: a919ed2021 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：茄子2 | 作成日時：2016年4月22日 20時
