30.書物 ページ33
ハッと気づいた時には、もう深夜2時を回っていた。
あー、やってしまった。
今更自室に戻るのもめんどくさい
『やっと起きたか』
岸部は優雅に缶コーヒーを飲んでいた。
･･･えっ？
「お前、どうしてコーヒー飲んでるんだ!?」
『そこにおいてあったから』
「いやいやそういうことじゃなくて、どうして死んでいるのに飲み食いできるんだよ」
『ん？あぁ、ちょっとお願いして私を具現化させてもらったよ』
そう言って俺の手に触れて見せた。
『どう？凄いでしょ』
「確かに凄いけどさ･･･」
手は氷のように冷たく、全身血の気はない。
『ただ、30分しか持たないのよ。そして、君以外にも見えてしまうからね』
コーヒーを飲むためにそこまでするのか･･･
というより、どうやって消化するんだろう
突っ込んだら負けかな？
『あっ、そうそう、これ持ってきたんだった』
テーブルの上に置かれていた3冊の本を手渡された。
表紙には、どれも悪魔らしき絵が描かれている。
『ラテン語と英語と日本語の「ソロモンの書」だけど、どれが読みたい？個人的にはラテ･･･』
「日本語で」
『そうだよね』
残りの2冊を返すと、ちょっと不機嫌そうになった。
『ラテン語のやつ高いんだから･･･諭吉さんが何枚飛んでいったことか』
「そう言われても読めないしな」
今、日本にラテン語が読める人なんてどれだけいるだろうか？
少なくとも俺は読めない。周りにも読めるやつはいない。
『まぁ私も読めないけどね』
「えっ!?じゃあなんで買ったのさ」
『コレクション用』
「高い趣味してるなぁ･･･」
･･･と口にしてしまったが、俺もかなり高い趣味を持っている。
実は「人形(Doll)」趣味であり、毎月云万と使っていてやりくりが大変である。
まだ家には1体しかいないが、服は10着以上ある。
小道具とか入れたらそれは･･･ね？
名前は「アイ」という。理由は眼が蒼いからだ。
艶やかな銀髪と可憐な顔立ちで愛らしい自慢の子である。
いつもは机の引き出しの中にしまっている。
猫に遊ばれたらたまったもんじゃないからな。(あと、親にばれたら家にいられない)
『そういえば、一つ気になっていることがあるんだが』
思い出したかのようにすらすらと言葉を発した。
「なんだ？」
『お前ってこんなによく喋るんだな』
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茄子2(プロフ) - 奏葉@TRPG廃さん» 応援ありがとうございます。是非、これからもお読みになっていただけると嬉しいです。 (2016年9月7日 16時) (
レス) id: 227a07cc88 (このIDを非表示/違反報告)
奏葉@TRPG廃(プロフ) - せ、世界観や文章、登場人物のぐじゃぐじゃな心情とか…もう、凄い素敵でした…！本屋さんにある小説くらい迫力があって一気に読み進めてしまいました。更新、是非頑張って下さい！陰ながら応援させて頂きます。 (2016年9月6日 17時) (レス) id: 3ff4ffe414 (このIDを非表示/違反報告)
茄子2(プロフ) - 霧憑 幻さん» ご指摘ありがとうございます。修正しました。 (2016年5月5日 22時) (レス) id: 45bd06207d (このIDを非表示/違反報告)
霧憑 幻(プロフ) - ページ2のほうで、「彼とうまくいってないのかな」でしょうか？「ないなかな」になってます (2016年5月5日 21時) (レス) id: a919ed2021 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茄子2 | 作成日時：2016年4月22日 20時
