26.内緒* ページ28
俺は家に帰るや否や、ベットに潜り込んだ。
彼女のいる気配は感じるが、敢えて無視することにした。
･･･何時間ぐらいたっただろう
しびれを切らした岸辺が、声をかけてきた。
『･･･何とも思わないのか？』
俺は少し間をおいて「別に」と返した。
『私が彼と一緒に眠りに落ちた時はあんな恰好ではなかった』
「だからなんだ」
顔だけ布団から出して彼女を軽蔑するような眼で見た。
『･･･きっと、彼は死ぬ気ではなかったのだろう』
「どうしてそう思う？」
『憶測だが、互いに致死量に達しない程度の成分しか入れてなかったのだろう。しかし、私は死んでしまった』
「･･･プラセボ効果か」
『あれは偽薬だから少し違うが』
馬鹿にしたように鼻で笑う。
少しイラッとしたが、いちいち茶々入れるだけ無駄だろう。
『それで、死んでしまった私を見て自ら首を裂いた』
「じゃあ何故青銅がなんとかと言ってたんだ？」
『あぁ、巨蟹宮のことか。ほら、蟹座のシンボルマークを見ると分かるが69に見えるだろう？あの形に似ていると思ってな』
「え･･･そういうのが好みで？」
『ナニを勘違いしているかは知らないが、69の元は巨蟹宮だぞ』
そうなのか、と感心していたが、それと同時に女性と性的な話をしていることに恥じらいを感じた。
「そ、それは置いといて、どうして自殺なんて図ったんだ？」
『死にたかったから』
「いや･･･まぁ間違ってはないけどね、何かしらそう思わせる出来事があったんじゃないのか」
その言葉に彼女は呆れた様子でこう言った。
『それ以上の理由はない。付け加えるだけ無駄なことだ』
「は、はぁ･･･、一緒にいた相手と何かあったとかは･･･」
『まだ聞くのか。聞いたところで何もないぞ』
そういうと、彼女は一瞬で消えてしまった。
相当聞かれたくないのか、それとも俺の力が弱まって見えなくなっただけなのか定かではないが、これ以上聞いても何も得られなさそうだ、と察した。
何故岸部は死んだのだろうか。
そして、一緒にいる異性はきっと･･････
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茄子2(プロフ) - 奏葉@TRPG廃さん» 応援ありがとうございます。是非、これからもお読みになっていただけると嬉しいです。 (2016年9月7日 16時) (
レス) id: 227a07cc88 (このIDを非表示/違反報告)
奏葉@TRPG廃(プロフ) - せ、世界観や文章、登場人物のぐじゃぐじゃな心情とか…もう、凄い素敵でした…！本屋さんにある小説くらい迫力があって一気に読み進めてしまいました。更新、是非頑張って下さい！陰ながら応援させて頂きます。 (2016年9月6日 17時) (レス) id: 3ff4ffe414 (このIDを非表示/違反報告)
茄子2(プロフ) - 霧憑 幻さん» ご指摘ありがとうございます。修正しました。 (2016年5月5日 22時) (レス) id: 45bd06207d (このIDを非表示/違反報告)
霧憑 幻(プロフ) - ページ2のほうで、「彼とうまくいってないのかな」でしょうか？「ないなかな」になってます (2016年5月5日 21時) (レス) id: a919ed2021 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茄子2 | 作成日時：2016年4月22日 20時
