25.巨蟹宮* ページ27
そこには、遺体と思われる二人が写っていた。
衣服ははだけ、互いの局部に顔を埋める様な姿であった。
「･･･何とも言い難いですね」
「うーん、何か意味があるかと疑っているんですが」
ア･･･と低い声が隣から聞こえた。
彼女はとても険しい顔つきである。
(何か言いたげだな)
『青銅の時代･･･』
「えっ？」
思わず声が漏れる。
「何か気づきましたか？」
「い、いや、そういうわけでは」
『青銅の時代は終わりを告げ、鉄の時代へと変貌する。卑しき者たちの巣窟となった今、私たちはまた過去を繰り返す。そして、死へと向かう…』
彼女は単調に言葉を並べ、その写真を見つめている。
･･･さっぱりわからん
『これは巨蟹宮。蟹座のことだ』
(は、はい？)
『水銀の世界、その時人間は一人でしか性の悦びを味わうことが出来なかった。しかし、青銅の時代になると二人で愛で合うことを知り、夜通し楽しんだという』
(そんなことを知りたいわけじゃない)
『しかし、何故こんなことを･･･』
(それが知りたいんだよ･･･)
呆れて顔を手で覆う。
(なんでお前が知らないんだ？隣の男がやったのか)
問いかけてみたものの、完全に自分の世界に入ってしまっていて聞こえていないようだ。
「･･･そう簡単に解りませんよね。これはまた次の機会にしましょうか」
そう言って資料をしまうと立ち上がり背筋を伸ばした。
「今日はお開きにしましょう。それより、君の裏付けを見つけないと」
軽く鼻で笑うと、尾関はその場から立ち去って行った。
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茄子2(プロフ) - 奏葉@TRPG廃さん» 応援ありがとうございます。是非、これからもお読みになっていただけると嬉しいです。 (2016年9月7日 16時) (
レス) id: 227a07cc88 (このIDを非表示/違反報告)
奏葉@TRPG廃(プロフ) - せ、世界観や文章、登場人物のぐじゃぐじゃな心情とか…もう、凄い素敵でした…！本屋さんにある小説くらい迫力があって一気に読み進めてしまいました。更新、是非頑張って下さい！陰ながら応援させて頂きます。 (2016年9月6日 17時) (レス) id: 3ff4ffe414 (このIDを非表示/違反報告)
茄子2(プロフ) - 霧憑 幻さん» ご指摘ありがとうございます。修正しました。 (2016年5月5日 22時) (レス) id: 45bd06207d (このIDを非表示/違反報告)
霧憑 幻(プロフ) - ページ2のほうで、「彼とうまくいってないのかな」でしょうか？「ないなかな」になってます (2016年5月5日 21時) (レス) id: a919ed2021 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茄子2 | 作成日時：2016年4月22日 20時
