21.再臨 ページ22
「ふぁあ･･･ぁ」
いつものように目を覚ます。
しかし、外はまだ仄暗い。
時計を確認すると、まだ午前2時を過ぎたあたりであった。
こんな時間に起きるとは珍しいな。
寝付こうと試みるが、なかなか眠気が起きない。
「･･･はぁ、仕方ないな」
電気をつけ、ゲーム機を取ろうとした時であった。
『アレ』が現れたのは――
「お目覚めかい、少年？」
「･･･っ？」
辺りを見回すが、声を発しそうなものはない。
寝ぼけているだけかな
「君は寝ぼけていないよ。ほら、彼女から貰ったキーホルダーを見てごらん？」
岸辺のやつか？
ベットに置いてあるキーホルダーを持った。
何故かそれは熱を帯びているように感じる。
「さぁ、書いてある言葉を読んでくれ」
不思議に思ったが、そのまま読み上げた。
「サミジーナ･･･」
すると、たちまちお守りから煙が流れ出て『アレ』は姿を現した。
「やぁ、先ほどはどうも」
「は、はぁ･･･」
「おや、覚えてないかい？」
何となく覚えているが、どこで見たかは覚えてない。
「･･･そんな困った顔をしないでくれ。彼女に頼まれたことだけを伝えに来ただけですから」
「岸辺･･･？」
サミジーナはニヤニヤと笑った。
「先ほどから彼女のことばかり考えているね。好きなのかい？」
「いや、全然。ただ心配なだけで」
「…素っ気ないなぁ」
サミジーナはため息をつく。
「まぁ、色恋のことなどどうでもいい。端的に言うぞ。『私を探しても無意味だ』と」
「どうして？」
「それを言う権利は与えられていない」
「…そうですか」
「詮索しないのか？」
「…何となく分かりましたので」
引き攣った笑みを見せると、満足したのかサミジーナはどこかへ消えてしまった。
「伝わったよ、岸辺が言いたいことは」
自分でも何故こんなに情報が入って来たかは分からない。
あの一言で、万物の根源を解き明かせるかもしれない程の情報量だ。
『それがサミジーナの効果だよ。君が望めば何でも教えてくれるさ』
「その声は…」
あぁ、言わずとも判るよ。
俺の真後ろにいる人物が…
『久しいな、正輝』
「そうだな、岸辺…」
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茄子2(プロフ) - 奏葉@TRPG廃さん» 応援ありがとうございます。是非、これからもお読みになっていただけると嬉しいです。 (2016年9月7日 16時) (
レス) id: 227a07cc88 (このIDを非表示/違反報告)
奏葉@TRPG廃(プロフ) - せ、世界観や文章、登場人物のぐじゃぐじゃな心情とか…もう、凄い素敵でした…！本屋さんにある小説くらい迫力があって一気に読み進めてしまいました。更新、是非頑張って下さい！陰ながら応援させて頂きます。 (2016年9月6日 17時) (レス) id: 3ff4ffe414 (このIDを非表示/違反報告)
茄子2(プロフ) - 霧憑 幻さん» ご指摘ありがとうございます。修正しました。 (2016年5月5日 22時) (レス) id: 45bd06207d (このIDを非表示/違反報告)
霧憑 幻(プロフ) - ページ2のほうで、「彼とうまくいってないのかな」でしょうか？「ないなかな」になってます (2016年5月5日 21時) (レス) id: a919ed2021 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茄子2 | 作成日時：2016年4月22日 20時
