17.契約 ページ18
悪魔を召喚…？
「正確には、『呼び出した』に近い。元々、私は岸辺という少女に使役されていたが、こちらの方がより使いこなしそうに見えたので彼女との契約を切ったらこの様…」
ブツブツと文句を言っているようだ。
「それなら俺とも契約を切れば…って今岸辺って言ったよな？」
「えぇ」
「じゃあ俺彼女に呪われたのか！？」
「『のろい』も『まじない』も紙一重です。まぁ、彼女は君のためを思って私を召喚したのだから責めないであげてください」
き、岸辺のやつ…俺になんてことをしてくれたんだ。
あれ、もしやあのキーホルダーがこの悪魔との契約書か？
つまり、あれごと壊せばいいのか
「もちろんそれが出来るならいいのですが…何重にも結界を張っているのもので」
「えっ」
「君が掛けたのですが、どうやら覚えてないそうなので無理か…と」
「ま、待てよ、俺が掛けたってどういうことだ！？」
俺に結界を張る技術なんてあったのか？
掛け方も知らないのに、どうやって…
「私が夢の中で教えました。教えろと言われたのでね」
「じゃあ解いてよ」
「君しか解く呪文を知らないのです。掛けた際に覚えておけとあれほど言ったのに…。去りたくても去れないのは辛いぞ」
…なんて無責任な悪魔なんだ
「人のことは言えないと思いますが」
「お互い様ってことか、仕方ないね」
「夢の君はもうちょっと聞き分けがいいんだがね」
「どういう意味だ？」
「おっと、説明していなかったな。今いる世界は君が見ている『夢』だ。で、この夢の中には現実世界で君が望んだように生きている『君』がいる。要するに、今この世界には『君』が二人いる」
まるで意味が分からんぞ！
なんか俺が増えるの？1upキノコでも食ったの？
「少年よ、なんでこう馬鹿なんだ」
「いやおかしいでしょ。俺が二人いるって」
「君が造り出したんだぞ」
「じゃあそいつに会わせろよ」
「…ふむ、良いだろう」
コンコン、と前足で土を蹴りで音を鳴らす。
すると、サミジーナの影が人形へと変わり、その影の中から『君』が現れた。
『何だサミジーナ、女でも連れてきたのか？』
「君の『元』を連れてきた」
『ほう』
俺を睨み付ける。
自分と瓜二つな姿であるが、雰囲気は違う。
常に殺気立っている感じだ。
何故か、昔の自分を彷彿させる。
『群れることを選んだ愚鈍な奴め』
胸元からナイフを取り出し、こちらに突き出した。
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茄子2(プロフ) - 奏葉@TRPG廃さん» 応援ありがとうございます。是非、これからもお読みになっていただけると嬉しいです。 (2016年9月7日 16時) (
レス) id: 227a07cc88 (このIDを非表示/違反報告)
奏葉@TRPG廃(プロフ) - せ、世界観や文章、登場人物のぐじゃぐじゃな心情とか…もう、凄い素敵でした…！本屋さんにある小説くらい迫力があって一気に読み進めてしまいました。更新、是非頑張って下さい！陰ながら応援させて頂きます。 (2016年9月6日 17時) (レス) id: 3ff4ffe414 (このIDを非表示/違反報告)
茄子2(プロフ) - 霧憑 幻さん» ご指摘ありがとうございます。修正しました。 (2016年5月5日 22時) (レス) id: 45bd06207d (このIDを非表示/違反報告)
霧憑 幻(プロフ) - ページ2のほうで、「彼とうまくいってないのかな」でしょうか？「ないなかな」になってます (2016年5月5日 21時) (レス) id: a919ed2021 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茄子2 | 作成日時：2016年4月22日 20時
