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52.思い出 ページ4

「迅さん、朝ご飯おいていくねー」


宇佐美さんがドア越しにそういったのが聞こえた。


そういえば、おれは昨日の朝から何も食べてないんだな。


でも、腹は全く空かないから不思議なものだ。


とりあえず、ドアを開けてトレーに載せられたご飯を取る。


そして、自室にあるトイレに中身を捨てた。


食べる気力などこれっぽっちもない。


部屋には、一応水とぼんち揚があるから生きてはいけるだろう。






部屋から出ないととても暇だ。


だからといって出たくはない。


責められるだけであるのは目に見えてわかる。


おれが素直に応じていればこうならなかった?


・・・そうだよな。そんなことは分かっているよ。




あと3日間、3日間だけでいいから何か楽しいことがしたい。


この部屋という限定された空間で・・・




スマホがあるからゲームぐらいならできる。


あと、ペンと紙があるから遺書なら書ける。


ほかは・・・センター受験の対策本と、母から譲り受けた小説が何冊かある。



ここは一つの償いとして小説を読んでいるか。







一冊手に取り、パラパラとめくってみる。


どうやら短編集っぽいな。


SFっていうやつか?アンドロイドとか宇宙系の話ばかりだ。




一通り読み終えると、もう一冊手に取り読め始める。


これは『異国の短編集』らしい。タイトルにそう書いてあった。


『北風と太陽』・・・これならおれでも知っているぞ。


『虚飾で彩られたカラス』・・・タイトルからして怖いな


これってもしやイソップ童話?


おいしいお粥ってイソップだったかな・・・違う気がするが


もしかしたら、これをまとめた人の好きな話を詰め込んだだけだったりして。


まぁいいや。暇をつぶすのにはちょうどいい。





中盤にさしかかろうとしたとき、気になるタイトルが目に入ってきた。


『未来と過去』


なぜだろう、このタイトルをおれは知っている。


母が読み聞かせてくれたのかな



ページをめくってその理由が分かった。





これはノワールがおれに言っていた話だ・・・

53.遺書→←51.未遂



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設定タグ:ワートリ , ワールドトリガー , 迅悠一   
作品ジャンル:アニメ
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ルカ(プロフ) - 最初は少し分からないところが多かったけど最後にガッと分かってきました。世の中何があるか分からないものですね。 (2020年5月1日 4時) (レス) id: 46d217bb62 (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - とても魅力的な文脈で面白かったです!!シリアスがこんなにうまく書けるなんて羨ましいです!!とりあえずめっちゃよかった(;_;) (2017年4月7日 10時) (レス) id: afb12c2aa8 (このIDを非表示/違反報告)
殺喜 - 終始変わった内容だなと思いました。所々違和感があるのに続きが、終わりが気になる感じでした。私の理解能力が低いからだと思いますがよくわからないものも多々ありました。でも、私はこのお話を読めて良かったです。更新お疲れ様でした。 (2016年2月5日 0時) (レス) id: 27fcdf1dfb (このIDを非表示/違反報告)
エスカルゴ@ワートリlove - 迅くんが…(;_;) (2015年9月22日 18時) (レス) id: ad88312f2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茄子2 | 作成日時:2015年9月7日 21時

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