【MHA】片割れたオレンジ (ページ10)

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焦凍の熱い舌が俺の舌と絡み合う。

生まれてから片時も離れずずっと一緒にいるのに、キスはしたことなかったなぁと冷静に思う自分がいた。

同時に、こんなのおかしいと警報を鳴らしたてる自分も。

わかってる。わかってるよ、俺達が双子で、真夜中にこんな恋人がやるようなことするのは普通じゃないってことも、俺は嫌がったり拒否したりするべきだってことも

……微塵も、嫌だと思っていないことも。

｢(……どうしよう、)｣

焦っていた。焦凍の行動ではなく、自分の心に。

焦凍のことは生まれた時から愛していたけど、あくまでそれは家族愛。

''こういうこと''をするなんて考えは少しもなかった。

けれどどうだろう。
嫌悪感が全く湧き出てこないんだ。

｢焦凍、あっ、まって、だめだよ｣
｢無理だ、もう待てねぇ｣

ああどうしよう、

流されてしまいたい。

焦凍に対しての拒否反応が全く無い俺は、焦凍と同じくらいにきっとおかしい。

……それでもまだ思い留まるべきだと叫ぶ俺がいる。
なけなしの理性を手繰り寄せ、俺は口を開いた。