第８話 ページ10
『……』
藍色の瞳が、再不斬を見つめる。そこに秘められているのは…落胆。
これ程まで、弱いとは。そんな思いが、含まれていた。
「…この餓鬼ィ…調子に乗ってんじゃねぇぞッ！」
それに気付いた再不斬は一瞬にしてAに近付くと、武器を振りかざす。
「Aくん危ないッ！」
サクラが叫ぶ。しかし、Aは逃げない。
勝利を確信した再不斬はニヤリと笑う。武器は、Aの腹に突き刺さる。
そのまま、Aを真っ二つにーー
ポフンッ！
「なッ！？」
再不斬だけではない。ナルトたちも目を見開く。何故ならAがいた場所には…怪獣のようなぬいぐるみ。
『…残念だったな』
そしてAは、
「ぐあぁ…ッ！」
再不斬の、背後にいた。
彼はそのまま再不斬の背中を強く蹴り、その衝撃でその場で一回転すると、背中に踵を落とした。〈にどげり〉だ。
再不斬はAの蹴りに耐えられず、地面に叩きつけられる。
…もう、ピクリとも動かない。
「…なあ、先生さんよ。あの小僧が下忍なんて、嘘だろう？」
顔を真っ青にして、身体を震わせて、タズナは言った。
「じゃなきゃ、再不斬を倒すなんて、ありえんじゃろうが…！」
そう、再不斬はやられたのだ。
下忍の、Aに。
『……だが、殺してはいない』
「なんじゃと？」
タズナの言葉が聞こえたのか、Aはタズナの方を向いて言った。
『殺すかどうかは、お前たちの好きにしろ。…じゃあな』
「おい！何処に行く！」
Aはくるりと背を向けてその場を立ち去ろうとする。…が、カカシが引き止めた。
『…森だ』
Aはカカシを見ることなくそう言うと、そのまま歩いて行ってしまった。
その後、再不斬が追い忍によって処分されたが、その嘘に気付いたカカシによって、ナルトたちに修行を課される事になった。…しかしその修行の場には、やはりAの姿はなかった。
・
森の中、少年の声と、ナニかの鳴き声が響いていた。
《グオォッ！！》
『そんなに怒らなくてもいいじゃないか』
青色の巨体を震わせて吠えるナニか。その青色の背を撫でて宥めるA。
《グウﾞゥ…》
『悪かったよ。だからここに呼んだんだろ』
Aはそう言ってナニかに向かって笑う。きっと、ナルトたちが今のAの表情を見たら卒倒してしまうだろう。
それくらい彼の笑みは、幸せそうだった。
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海歌 - 今度、主人公の妹も入れた小説作ってもいいですか？ (2017年2月6日 15時) (
レス) id: 9e7081a8f5 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのポケもん好き - びっくりするくらい面白い (2016年12月23日 21時) (レス) id: d81526141d (このIDを非表示/違反報告)
ナイロン - 続き待ってました!!これからも頑張ってください!! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 6f2be02f91 (このIDを非表示/違反報告)
キヌカ - この小説大好きです！【眠れる獅子】が気になります。頑張って下さい！ (2016年6月21日 9時) (レス) id: 0257f3d498 (このIDを非表示/違反報告)
ナイロン - めっちゃくちゃ面白いです!!続き期待してます!! (2016年6月18日 20時) (レス) id: 6f2be02f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白蛇 | 作成日時：2016年3月12日 20時
