第２６話 ページ28
『お疲れ、ウインディ』
《わふっ！》
ウインディの背に乗って、塔に到着したA。
彼はウインディの頭を撫でて労わると、その背から降り、指をパチンッ、と鳴らした。
すると、ウインディは業火に包まれ、そして消えた。
『…よし』
Aは息を吐くと、目の前の扉を開ける。そして部屋に入ると目に飛び込んできたのは、三代目からのメッセージ。
“天地双書を開かば危道は正道に帰す”
『ああ、本来ならここで天地の巻物を開くのか』
なら、白の巻物も。
Aはそう思い、白の巻物を開けた。
『……』
そこには、"人"を中心に書かれた術式。
即座に口寄せのモノだと理解したAはその巻物を投げ捨てた。
ボフンッ！
煙が、辺りを包む。
「…随分と早いな…」
そして、その煙の中から声が聞こえた。…イルカの声だった。
「巻物一つでいいとはいえ、見つかりやすい所に隠してはなかった筈だ。…にもかかわらず、この早さか」
『…鼻が利くヤツが、いるもんでね』
イルカが賞賛するが、Aは素っ気ない態度でそう言った。苦笑いをするイルカ。
「…この様子じゃ、既に天地両方を兼ね備えているのかもな…少し協調性がなさそうだが」
ぼそり、と呟く。
「まあ、合格は合格だ。第三の試験も頑張れ！」
『…ああ』
Aは、くあ…、と小さく欠伸をすると、次の部屋へと向かった。
・
印を組む巨大な手の像がある部屋にAはいた。
『…誰もいないのか』
Aはこの部屋の気配を探るが、やはり誰もいないようだった。一番乗りという訳だ。
『丁度いい』
そう言うと、二階の観客席へと登り、腰を下ろす。
『……』
そして目を瞑り、眠ってしまった。
・
ザワザワと人の声が聞こえる。
『……ん』
Aは右目をゆっくり開け、下を見下ろす。…ああ、もうそろそろ始まるのか。
人がこの部屋に入ってくる気配には気付いていたが、並んでいるのは知らなかった。
「うおッ！ビックリしたってばよ！」
「あ！Aくん！」
Aは観客席の柵を飛び越え、皆が並んでいるもとへと降り立つ。
ナルトたちの驚き方から、彼らはAがいた事に気付いていなかったようだ。
「…お前、あんな所で何をしていた？」
『寝ていた』
「……」
サスケが怪訝そうな顔で尋ねたが、Aは彼の顔を見る事なく、そう答えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 242人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ポケットモンスター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海歌 - 今度、主人公の妹も入れた小説作ってもいいですか？ (2017年2月6日 15時) (
レス) id: 9e7081a8f5 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのポケもん好き - びっくりするくらい面白い (2016年12月23日 21時) (レス) id: d81526141d (このIDを非表示/違反報告)
ナイロン - 続き待ってました!!これからも頑張ってください!! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 6f2be02f91 (このIDを非表示/違反報告)
キヌカ - この小説大好きです！【眠れる獅子】が気になります。頑張って下さい！ (2016年6月21日 9時) (レス) id: 0257f3d498 (このIDを非表示/違反報告)
ナイロン - めっちゃくちゃ面白いです!!続き期待してます!! (2016年6月18日 20時) (レス) id: 6f2be02f91 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白蛇 | 作成日時：2016年3月12日 20時
