第２４話 ページ26
『…さて、塔に行くか。このまま乗っていていいか？』
《オンッ！》
Aはウインディから巻物を受け取ると、そう尋ねる。ウインディはちらりとAに視線を向けながら嬉しそうに吠えた。
・
「それだけか…」
ひょうたんを持つ少年が、静かに言った。
…相手の忍が繰り出した千本の雨を、砂によって守られながら。
「なら俺は、血の雨を降らせてやる」
「や、やめてくれ！」
ーー砂瀑送葬
「ギャアアアッ！！」
砂に纏わり付かれた忍は、我愛羅が手をぐ…っ、と握った瞬間、破裂した。
彼が宣言した通り、赤い赤い、血の雨が降る。
そしてそのまま、残った二人も同じように死んでいった。
「……」
彼らが残した巻物は運良く天の書。カンクロウは森から早く出たがり、塔へ行こうと言うが、我愛羅はそれをよしとしなかった。
「まだ、物足りない…」
彼の視線の先には、草むら。
…その草むらの中にはキバたち三人が息を潜めていた。
迫り来る死。心臓がバクバクと音を立てている。
我愛羅の砂の粒が、三人に纏わり付いた時、
『…踏まれたくなきゃ、退け』
「「「！！」」」
凛とした声が響く。
その後、巨大な犬が我愛羅たちの前に降り立った。
「ど、どうした赤丸」
すると赤丸が急に怯え出す。先ほど我愛羅に殺されかけた時の比ではない。尋常じゃない程の震えだ。
「…あいつは、ナルトの班の……」
シノが草むらから覗いて、言った。
藍色の髪にあの格好。…間違いない。Aだ。
「お前ッ、あの時の！」
『…誰だ』
「何だとッ！」
カンクロウがAを指差して叫んだ。
背後を取られ、首を刈り取られそうになったあの時。…忘れもしない。
こいつには借りがある。
だが、Aは首を傾げ、そう言った。
『人間の顔など、わざわざ覚えておく理由がない。…じゃあな』
実はAは、カンクロウの顔を覚えていた。だが「誰だ」と言ったのは、ただただ関わりたくなかったから。
さっさと、この森から出たい。
彼の頭の中は、それでいっぱいだった。
「待て」
『…何だ』
ウインディの背中を軽く叩き、走るように合図したAだったが、我愛羅によって引き止められた。
「お前、強いだろう」
『強かったら、どうする』
二人は、互いに睨み合う。ピリピリと空気が震えていた。
「物足りないんだ。…俺と、戦え」
『……』
我愛羅はAの返事を待たず、攻撃を仕掛けた。
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海歌 - 今度、主人公の妹も入れた小説作ってもいいですか？ (2017年2月6日 15時) (
レス) id: 9e7081a8f5 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのポケもん好き - びっくりするくらい面白い (2016年12月23日 21時) (レス) id: d81526141d (このIDを非表示/違反報告)
ナイロン - 続き待ってました!!これからも頑張ってください!! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 6f2be02f91 (このIDを非表示/違反報告)
キヌカ - この小説大好きです！【眠れる獅子】が気になります。頑張って下さい！ (2016年6月21日 9時) (レス) id: 0257f3d498 (このIDを非表示/違反報告)
ナイロン - めっちゃくちゃ面白いです!!続き期待してます!! (2016年6月18日 20時) (レス) id: 6f2be02f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白蛇 | 作成日時：2016年3月12日 20時
