第１話 ページ3
目を覚ますと、Aはベッドで寝ていた。
むくり、と起き上がる。
……ここは、
「！、目が覚めた？」
『！！』
すると、突如人の声。また、俺を殺しに来たのか…！
『消えろッ！！』
「ひゃあッ！？」
Aは爪を尖らせ振りかぶる。〈ドラゴンクロー〉だ。
その技は大きく床を抉り、風圧で人が倒れる。
「何事じゃ！」
そこに現れたのは、火影。彼は数人の忍を携え、部屋に入ってきた。
『消えろと言っているッ！』
「！！」
「ぎゃああッ！」
Aは大声で吼えると、一人の忍を〈かみくだく〉。鋭い牙が忍の腕に深く食い込んだ。
血が、舞う。
「落ち着け小僧！儂らは敵じゃない！」
火影はそう叫んだ。その言葉に、ピクリとAの身体が揺れる。
「ここは病院。お前は里の近くの森で倒れておった」
大人しくなったAにこれは幸いと、火影は語る。
『……！』
その時、ふとAの頭の中に、膨大な情報が流れた。
この世界の事、忍の事、忍術の事、チャクラの事…。
《力をお前に授ける》
…ああ、あの言葉はこういう意味か。
Aは理解した。
ならば倒れていたのは、この世界に送られたことの衝撃か。
『…悪かったな』
Aは腕から牙を抜き、そして手をかざす。
ふわりと優しい波動が、血を流す腕を纏ったかと思うと、どんどん傷が塞がって行った。
〈いやしのはどう〉それは見事に腕を治してみせたのだった。
驚きに目を瞠る火影たち。ここまで完璧な医療忍術を、子供が会得しているのだから。
「…お前さん。一体何があった？親は？」
火影は、落ち着いたAから情報を聞き出す。これほどの力を持っているのなら、スパイであることも考えられたからだ。
そんな事を知ってか知らずか、Aは火影の方をちらりとみるとそっぽを向いて、
『親は、もういない。…家族すらな』
「…っ！」
『家族は皆、俺だけをここへ逃した。後は、知らん』
Aはただ、真実を述べているだけだった。
…しかしその話は、火影たちに大きな誤解を植え付けた。
Aの家族は戦いに巻き込まれ、子供であるAだけを逃して…死んでしまったと。
実際は、Aを殺されないように伝説のポケモンたちがこの世界に送っただけなのだが。もちろん、Aの家族は生きている。伝説のポケモンが、ただの人に負けるはずがないのだ。
『俺からも一つ聞きたい事がある』
「…なんじゃ」
ーー忍には、どうしたらなれるんだ。
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海歌 - 今度、主人公の妹も入れた小説作ってもいいですか？ (2017年2月6日 15時) (
レス) id: 9e7081a8f5 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのポケもん好き - びっくりするくらい面白い (2016年12月23日 21時) (レス) id: d81526141d (このIDを非表示/違反報告)
ナイロン - 続き待ってました!!これからも頑張ってください!! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 6f2be02f91 (このIDを非表示/違反報告)
キヌカ - この小説大好きです！【眠れる獅子】が気になります。頑張って下さい！ (2016年6月21日 9時) (レス) id: 0257f3d498 (このIDを非表示/違反報告)
ナイロン - めっちゃくちゃ面白いです!!続き期待してます!! (2016年6月18日 20時) (レス) id: 6f2be02f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白蛇 | 作成日時：2016年3月12日 20時
