第１６話 ページ18
「いきなりだが、お前たちを中忍選抜試験に推薦したから」
カカシからの突然のカミングアウトに驚くナルトたち。志願書も渡され、それは事実なのだとわかった。
『……』
Aは志願書をじっ、と見つめる。
この日を、待っていた。
(やっとか……)
中忍になれば、今よりもランクの高い任務も出来るだろう。…即ち、それだけ報酬も上がる。
金がなければ、生きてはいけない。…だが、人間の施しなど受けない。
自分の力で、生きるのだ。
Aは鞄からペンを出すと、その場で志願書に自分の名前を記入した。
・
次の日。アカデミーには多くの下忍が集まっていた。
皆、言われた通り301と書かれたの部屋へと向かう。
…しかし、
「やめた方がいいんじゃない？」
「うッ！」
301の部屋の前に、二人の男の姿。
彼らは受験者に立ちはだかり、進もうとする者に暴力を振るっていた。
予想外な展開に、動揺を隠せない受験者たち。
そんな中、ナルトたちも301の部屋へ到着した。
「通してもらおうか。俺は三階に用がある。幻術を解け」
「ほう…、気付いたのか」
サスケは人混みの中から前に出て、二人に向かってそう言った。男が満足気にニヤリと笑う。
『……さっさと解かないなら、俺が解くぞ』
「な…！？」
その時、痺れを切らしたAがカッ！と目を開き、言った。藍色の瞳は赤く染まっていた。
『〈みやぶる〉』
Aの瞳が301の札を映すと、途端にその部分がグニャリと歪み…、201の札が現れる。
幻術が解かれた証拠だった。
『…先に行くぞ』
「待てよ」
そして本当の301の部屋へと向かって歩き出すA。それを、男が止めた。
「幻術を解いたのは凄いが…お前の強さはどんなもんかねぇッ！」
男は、背を向けているAに向かって、渾身の蹴りを入れる。
…その瞬間、
『…邪魔だ』
顔を少し傾け、男を見たA。
その瞳は普段の藍色でも、先ほどの赤色でもなく、まるで猫のように瞳孔が狭まった、金色の瞳だった。
「ッ！？」
そんな瞳に見つめられた男は、突然痺れたかのように、身体が動かなくなった。そしてガタガタと震え出す。
(何だ、何だこれは…！)
勝手に湧き上がる冷や汗。
その時の男の脳内には、恐怖の二文字しか浮かんでなかった。
ーー〈へびにらみ〉
それは気の強い者でさえも一瞬で怯えさせる程の眼力。
『…先に行くぞ』
ナルトたちにそう言うと、Aは震える男に見向きもせず、301へと向かった。
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海歌 - 今度、主人公の妹も入れた小説作ってもいいですか？ (2017年2月6日 15時) (
レス) id: 9e7081a8f5 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのポケもん好き - びっくりするくらい面白い (2016年12月23日 21時) (レス) id: d81526141d (このIDを非表示/違反報告)
ナイロン - 続き待ってました!!これからも頑張ってください!! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 6f2be02f91 (このIDを非表示/違反報告)
キヌカ - この小説大好きです！【眠れる獅子】が気になります。頑張って下さい！ (2016年6月21日 9時) (レス) id: 0257f3d498 (このIDを非表示/違反報告)
ナイロン - めっちゃくちゃ面白いです!!続き期待してます!! (2016年6月18日 20時) (レス) id: 6f2be02f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白蛇 | 作成日時：2016年3月12日 20時
