第１４話 ページ16
再不斬たちとの対決から数日後。今日も第七班は軽い任務をこなしていた。
…軽い任務とはいえ、サスケに対抗心を燃やし、ことごとく空振っているナルトはボロボロであったが。
「さてと、そろそろ解散にするか」
「……なら帰るぜ」
カカシがそう言って去ると、サスケもポケットに手を入れ、何処かへと歩いていく。サクラは振られたようだ。
そんな彼らを尻目に、Aはぼー、と空を見ていた。
(……)
青空を見ると、今でも思い出す。
あの世界で、まだ家族と幸せに過ごしていたあの時。
(…懐かしい)
天気がいい日は、いつも飛べる兄弟たちが自分を乗せて、空を駆けて遊んでいた。
(誰が俺を乗せるかで、サンダーたちが喧嘩していたっけ…)
〈かみなり〉やら〈ふぶき〉やら〈かえんほうしゃ〉やら。本気で技を繰り出し合って争っていた。
(それで、兄弟たちはアルセウスに叱られていた)
くすり、と笑みが漏れる。
その時最終的に俺を乗せたのはアルセウスだった。
(…皆、優しかったな)
怒ると怖かったけど、とても、優しかったんだ。
まだ俺が弱かったとき、俺を苛めるポケモンを追い払ってくれた。
悪夢を見て泣いたとき、泣き止むまで頭を撫でてくれた。
俺が反抗期で家出したとき、人間に見つかる危険があると知りながらも、全員で探してくれた。
優しい、優しい、俺の家族。
…叶うなら、もう一度、会いたい。
(でも、もうそれは出来ない)
"さよなら"を、してしまった。
(…もう、会えないんだなぁ)
俺を助けるために、別れを選んだ、最愛の家族に。
「うわあッ！」
家族への想いを募らせていると、何処からか悲鳴が聞こえた。
ふと、視線を向けると、ナルトたちが誰かと騒動を起こしていた。全身黒い男に、子供が捕まっている。
『……』
状況からして、子供はナルトの知り合いなのだろうが…
『俺には、関係ないな』
ぼそりと、Aは言った。
そもそも関係があったとしても、助ける理由がない。…人間は、嫌いだ。
俺と、家族を別れさせた、人間なんて。
(……)
関わるつもりは。
『……おい』
「グ…！？」
Aは〈しんそく〉で男の背後に一瞬で近付くと、〈ドラゴンクロー〉を首に当てた。
男は、目を見開く。
子供を助けるつもりはない。
…ただ俺は、
『喧しいぞ』
単純にこいつらの声が耳障りだったから、関わったまでだ。
……そう、自分のために。
Aは、自分に言い聞かせた。
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海歌 - 今度、主人公の妹も入れた小説作ってもいいですか？ (2017年2月6日 15時) (
レス) id: 9e7081a8f5 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのポケもん好き - びっくりするくらい面白い (2016年12月23日 21時) (レス) id: d81526141d (このIDを非表示/違反報告)
ナイロン - 続き待ってました!!これからも頑張ってください!! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 6f2be02f91 (このIDを非表示/違反報告)
キヌカ - この小説大好きです！【眠れる獅子】が気になります。頑張って下さい！ (2016年6月21日 9時) (レス) id: 0257f3d498 (このIDを非表示/違反報告)
ナイロン - めっちゃくちゃ面白いです!!続き期待してます!! (2016年6月18日 20時) (レス) id: 6f2be02f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白蛇 | 作成日時：2016年3月12日 20時
