第１３話 ページ15
「…何で、あの鰐は再不斬を殺さなかったんだ？」
波の国から帰る途中、カカシがAに尋ねた。
Aはちらりと視線をカカシに向けると、ふいっ、と前を見て言った。
『…あいつにも言ったが、オーダイルの考える事なんて、俺にはわからん』
「……」
『だが、オーダイルが再不斬を殺そうとしたのは、あいつが散々俺に攻撃を仕掛けてきたからだ』
オーダイルを含む、六匹のポケモンたち。彼らはAの家族である伝説のポケモンたちからAを守るようにと言われ、護衛としてこの世界へ共にやって来たのだ。
だからこそ、彼らはAが傷付いたり、攻撃を加えられたりする事に敏感なのだ。
ちなみにAは別に再不斬程度ならば、自分でどうにか出来たためポケモンたちを呼ばなかったが、オーダイルはそれが気に食わなかったらしい。森の中で散々怒られた。宥めても彼の怒りは中々収まらず深夜まで続いてしまった。寝不足だったのもそのためだ。
そしてその怒りはAに攻撃を仕掛けた再不斬に向かい、オーダイルは護衛として再不斬を排除しようとしたのだが、…結果、オーダイルは再不斬を殺さなかった。
『別にあいつは、殺すのが好きな訳じゃない。普段は大人しくて、優しい奴だ』
「…あれが、大人しくて優しい…」
あの時のオーダイルを見ていたナルトたちは顔を歪ませる。
どう見ても、悪魔のようだったのだが…
全員の心境は、そんな感じだろう。
『ああ。…心優しい者には、一切手を出さないくらいな』
「！！」
Aのその言葉で、カカシはハッ、とする。
ようやく、わかったのだ。
「……そういうことね」
なら、もしかしたら再不斬は、
「……あの子と同じ所に、行けたかもしれないな」
『…さあな』
サアァ、と風が吹く。
Aの長い襟足が、風に揺られて靡いた。
【波の国】編
完
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海歌 - 今度、主人公の妹も入れた小説作ってもいいですか？ (2017年2月6日 15時) (
レス) id: 9e7081a8f5 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのポケもん好き - びっくりするくらい面白い (2016年12月23日 21時) (レス) id: d81526141d (このIDを非表示/違反報告)
ナイロン - 続き待ってました!!これからも頑張ってください!! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 6f2be02f91 (このIDを非表示/違反報告)
キヌカ - この小説大好きです！【眠れる獅子】が気になります。頑張って下さい！ (2016年6月21日 9時) (レス) id: 0257f3d498 (このIDを非表示/違反報告)
ナイロン - めっちゃくちゃ面白いです!!続き期待してます!! (2016年6月18日 20時) (レス) id: 6f2be02f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白蛇 | 作成日時：2016年3月12日 20時
