第１２話 ページ14
『…さて、次はお前の番な訳だが』
「……」
『……その前に、面倒な奴が来たものだ』
そう言って、Aは再不斬から視線を外す。
「おーおー、ハデにやられたなぁ再不斬」
そこにいたのは、ガトー。
彼は何十人もの部下を連れて、再不斬たちの前に現れた。その部下たちで、再不斬を殺すつもりらしい。
「…おい藍色頭。少し、時間をよこせ」
『……一分だ』
「上等」
Aはそう言うと、再不斬に向かってクナイを投げた。再不斬はそれを口で咥える。
そして、大人数のガトーの部下に、一人で立ち向かう。Aたちは、そんな彼の姿をただ見ていた。
「……てめぇは、俺と一緒に地獄へ行くんだ！」
さよならだな、白。悪かった、なぁ…。
「……ありがとう」
ーー再不斬がガトーの首を撥ね、そして力尽きて倒れる、その時まで。
・
『……３６秒』
「…ハッ、余裕だったな」
倒れた再不斬のもとに、Aが歩いてきて、そう言った。
「…さあ、後は好きにしろよ」
《…グオォォ……》
再不斬はペッ、とクナイを吐き出して、笑った。自傷気味な、笑みだった。
《…グルル》
「…！」
そんな再不斬に近付いたオーダイル。彼は太く、鋭い爪を携えた手で、再不斬を抱き上げた。
『…オーダイルは、好きにするようだぞ』
《グルル！》
オーダイルが向かった先は、白が倒れている場所。
彼は、その横に再不斬を下ろした。
《グァオオオオオ！！！！》
「ひっ！？に、逃げろおおお！！」
そして、再不斬を振り返る事なく、残ったガトーの部下たちに、襲いかかった。
「…何故だ。俺を殺すんじゃなかったのか。死ぬ運命だと、言っていた筈だ」
『…さあな。オーダイルの考えている事など、俺が知るか』
バッタバッタと部下を薙ぎ倒すオーダイル。助太刀に来た市民も、唖然としていた。
それを見て、Aは微笑む。
『ただ、死ぬ運命を変えるナニかが、あったって事だろ』
「……あぁ、…そう、か」
再不斬は、空を見上げて、そう言った。
彼の最期は、
「…お前と同じ所に……俺も……」
季節外れの雪が、降る日だった。
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海歌 - 今度、主人公の妹も入れた小説作ってもいいですか？ (2017年2月6日 15時) (
レス) id: 9e7081a8f5 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのポケもん好き - びっくりするくらい面白い (2016年12月23日 21時) (レス) id: d81526141d (このIDを非表示/違反報告)
ナイロン - 続き待ってました!!これからも頑張ってください!! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 6f2be02f91 (このIDを非表示/違反報告)
キヌカ - この小説大好きです！【眠れる獅子】が気になります。頑張って下さい！ (2016年6月21日 9時) (レス) id: 0257f3d498 (このIDを非表示/違反報告)
ナイロン - めっちゃくちゃ面白いです!!続き期待してます!! (2016年6月18日 20時) (レス) id: 6f2be02f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白蛇 | 作成日時：2016年3月12日 20時
