後輩以上、恋人未満【名前変換オリジナル】

ビックリ。 ページ7

「これ、サンキュー」

授業が終わって、今日も英和辞書を返しに来た洸さん。

最近、英和辞書を忘れることが多い。

『今日は何ページ参照ですか？』

私はそんな洸さんの様子を気にしながらも、いつもどおりの態度でやり取りを進めていく。

「今日はしてない」

『またまた。そういう嘘いりませんから』

「ホントだって。俺だってたまには真面目に勉強するときもあるんだよ」

辞書を受け取ってすく、背を向けて歩いていく洸さん。

真面目に勉強？ 洸さんが？ まさか。

そうは思いつつ、もしかして何か……と期待を抱いてページを開く。

でも、新しく印をつけられた単語は見当たらず、ガックリと肩を落として辞書を鞄に入れようと縦に

したその時、隙間からパラパラと何かが落ちた。

どうやらそれは消しゴムのカスのようで、少し折り目のついたあるページから落ちている。

そのページを開いてゆく。

863……864……865ページ。

アルファベットはL。

しかしそのページにはいつもの赤ペンの鮮やかさはなく、何の印も書かれていない。

その時、うっすらと見えた。

すぐさまページの一部を太陽の光にかざす。

透けている……。

一つだけ、一度は鉛筆で丸を書いたような跡。

だけどそれは消されていて、そんな名残りのある単語。

＿＿＿＿＿LOVE



和訳：愛情、好意、恋、好き、恋する、大好きである

………恋？好き？大好き？

内側から弾かれるかのように跳ね上がる体。

こんなふうになるのは初めてで、自分自身がビックリする。

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