絆 ページ24
-
『っ!たんじ…うおわあ!!!』
炭治郎のもとに近づこうとすると、糸で思いっきり上に吊り上げられる。避けられる攻撃ではあったが、時の呼吸で少し試したいことがあり、勢いで当たった。…が痛い!めっちゃ糸食い込んで血でてるんですけど!!
「ああ、姉さんとの対決、お前の方が勝ったのか。じゃあ、そこで大人しくしててよ。あんまり動かない方がいいんじゃない。血がたくさん出て死ぬよ。」
「…っ!A!!」
『義勇!!私はいいからそっちに集中して!』
実験に必要なくらい怪我していることを確認してから薙刀を回し、糸を断ち切る。重力のまま頭から落ちる体をひねり、回転して地面に着地する。なにか、炎のようなものが見えた気がする。
…どうやら義勇の方は鬼の首を切ったようだ。鬼の身体が灰になる。
鬼の身体が炭治郎の前で倒れ、炭治郎は鬼の背中に手を当てる。…炭治郎の下にいる子、誰だ?
完全に鬼の身体が消えると、義勇が鬼の着物の上に足を乗せる。
「…人を喰った鬼に、情けをかけるな。
子供の姿をしていても関係ない。何十年と生きている、醜い化け物だ。」
「殺された人の無念をはらすため…これ以上被害をださないため…もちろん俺は、容赦なく鬼の首に刃をふるいます。」
「だけど、鬼であることに苦しみ、自らの行いを悔いている者を、踏みつけにはしない!」
「鬼は人間だったんだから!俺と同じ…人間だったんだから…。足を、どけてください!!
醜い生き物なんかじゃない。鬼は虚しい生き物だ。悲しい生き物だ。」
優しい子だな.…。鬼殺隊には、家族を鬼に殺された人も多いから、こういう考えの人は少ない。
…炭治郎が少し起き上がったことによって、下にいた子が見える。
あれ、
あの子、
鬼?
4213人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なる | 作成日時:2019年12月20日 1時