潜入 ページ15
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『着きましたね、花町。…ところで、なんで手繋いでるんですかね宇髄さん。』
「こっちの方が夫婦っぽいからに決まってんだろ。」
…地味に照れるのムカつくな
『じゃあ今すぐこの設定変えましょ。私達は兄妹ってことで。』
「…ここには女を高額で売ろうとするクズもいる。お前も鬼殺隊だが女だ。こっちの方が守りやすい。このまんま潜入すんぞ。」
『はあ〜?…いつもそうしてりゃあ派手にいい男なんですけどね…。』
「あ?俺はいつも派手にいい男だろうが!」
『そういうところですよ!!!』
「なんだと!!ていうかなんでさっきから俺の居ない方向向いてんだ!!こっち向け!」
『嫌です!!覗こうとしないでください!!私今顔赤いんですから!!!……ん??』
顔に冷や汗がつたる。
あれ、ちょっとまって私。今言っちゃったよね私。マジかよ私。こんな馬鹿で大丈夫か私。
「へえー…なるほどねえ……」
ほらもうニヤニヤしちゃってるもん宇髄さん!!!なんで私言っちゃったかなあ!?!?
『いや、これは違くて…「ねえ、聞いた?最近、ここらで若い男の人が行方知らずになる事件が多いらしいわよ。」……』
隣でおば様達がしている話に耳をたてる。
…情報源がおば様達なのって少なくないんだよなあ。
『あの!その話、私にも聞かせてください!』
「ありゃこりゃまた美男美女な夫婦ね!手も繋いで、仲が良いのねえ。微笑ましいわあ。」
『いやあ…手は繋がなくて良いって言ってるんですけどねえ。』
「こいつ、すぐ迷子になるので。」
そう言い、宇髄さんは手を絡ませて繋ぎ方を恋人繋ぎに変え、逃すまいと繋ぐ力を少し強める。 隣の宇髄さんはニヤニヤしてこっちを見てくる。
くそ…この人!!私が恥ずかしいって!!分かってやってやがる!!
「あらあら。で、お嬢ちゃんはなんのお話が聞きたいの〜?」
『ありがとうございます!…男の方が居なくなる、というのは…?』
「ああ、実はね…………」
おば様達のお話によると、夜に若い男の人が連れ去られているらしい。少なくとも30人以上…
十二鬼月では無さそうだが、術を使ってくる可能性は高い。
『夜に居なくなる、ということは鬼なのは確定ですね。』
「そうだな。あとは地味に張り込みか。」
『夜まで暇つぶししましょうか。…って近っ。』
「あ〜、そういやお前、俺の顔好きだったな。」
『誰から聞いたんですかこの野郎』
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お互い顔が好き。
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作者名:なる | 作成日時:2019年12月20日 1時