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バタン






と家に入るといつもより重たく聞こえる、家のドア。

はあ、と脱力してとりあえず明日の準備の続きをするけど

全然身が入らなくて気づいたらもう夜中で。







何をしててもさっきの小瀧くんが頭に浮かんで

はあ、とため息が出る

その繰り返し。







だから必然的に寝るのも遅くなっちゃって

なのになかなか眠れなくて








「ねむた…、」







浅い眠りのまま朝を迎えた。







重たい体を起こして

とりあえず朝ごはんを食べて

支度をして集合場所に行くと







中「おはよ」

「おはようございます」







車の前で立って私を待ってくれていた中間部長がいて

初めて見る私服姿がすごく爽やかで

とてもかっこよくて







中「どしたん?」

「あ、いえ。なにもないです」







つい、見惚れてしまった。







トランクに荷物を乗せて助手席にのると







なんだろう、

なんかいい匂いがする






部長が動くたびにふわあっとそれは香ってくる。

なんだか落ち着くこの匂いがすごく心地よくて







中「…A、」

「…んぅ、」

中「着いたで」

「え、?」







きょろきょろ周りを見渡すと自然に囲まれた

旅館に着いていた。







「すみません」

中「いいよ、いいもん見せてもらったし」

「いいもの、?」

中「Aの寝顔」

「えっ、」






うそ、恥ずかしすぎる

絶対変な顔してた

絶対口空いてた…

ああああ、最悪だ…、







中「ふふ、大丈夫やって(笑)」

「うわあ、帰りたい、」

中「可愛かったで?」

「フォローありがとうございます、」







笑いながら言うからノリだろうなと思って

恥ずかしくて車を降りようとドアを開けたら







中「ほんまやのに」








後ろからボソッとそう聞こえてきて

気づかないフリをしてバタン、とドアを閉めた。



.

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作者名:なる | 作成日時:2019年6月28日 18時

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