37 〜中原中也side〜 ページ38
｢はぁ〜あ。なーんで中也と祭りなんか来なきゃいけないわけー？｣
｢そりゃこっちのセリフだわ！｣
｢ちょっと煩いよ。二人に気付かれたらどうするのさ｣
｢いや、ありゃ気付かねーだろ。互いに緊張でガッチガチじゃねぇか｣
初々しく歩幅を合わせて歩いているあいつらを見て、太宰がつまらなさそうにため息を吐く。
｢あーあ。ついに今日で結ばれるんだ｣
｢そのために今日までやってきたんだろ｣
｢……そうだね。私たちがいちばん祝ってあげなくちゃ｣
織田と太宰がポートマフィアから居なくなった日……Aは、驚く程静かだった。
泣くこともせず、怒っている様子もない。まるで最初から無かったことのように、淡々と二人の空いた穴を埋めていた。
ただ、あいつは貼り付けたような笑顔でニコニコ笑うような奴になっていた。
｢……A｣
｢すみません、中也さん。今忙しくて。後でご要件お聞きします！｣
戦闘に積極的に参加するようになったAは多忙であった為、俺と会うことも話すことも少なくなっていった。
｢……っ、さん付けなんて、してんじゃねぇよ……｣
その後、あいつが敵との戦闘で怪我を負ったと聞いて、いてもたってもいられなくなった。Aを戦闘の場から遠ざけてくれと、首領に頼み込んだ。
Aは、ポートマフィアのパティシエになった。食べることが好きだと、甘いものが好きだと過去に言っていたのを思い出して、俺が提案したものだった。
｢何かお困りですか？中也さん｣
Aが今の仕事に就いてからしばらくが経った頃、俺は芥川を連れてきた。
芥川と会ってから、あいつはいい方向へと変わっていった。いや……戻った、という方が正しい。
もちろん、完全に昔の関係性には戻れない。でも、こいつが楽しそうに笑っているならそれでもいい。俺は、もうAに悲しい思いをさせたくない。
きっと、太宰も同じだろう。そうでなければ、わざわざポートマフィアの領地内にある店に来るわけが無い。Aともう一度やり直すため、幸せの手助けをする。
こいつと協力するのは癪だが仕方ない。
｢……今どき小学生でももうちょっと進んでるんじゃない？早くキスくらいすればいいのに｣
｢あいつらのペースがあるんだろ……ほっといてやれよ｣
｢にしてもさぁ……もう、じれったい！｣
｢……｣
隣でぶつぶつ言っている太宰に呆れながらも、デートの行方を見守ることにした。
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さくら餅(プロフ) - 紅玉さん» 最後まで読んでいただき、ありがとうございました！無事完結させることができて心底ほっとしております。私は貴方様のコメントにギュンギュンしました！笑本当にありがとうございました！！ (2021年2月7日 15時) (
レス) id: 0223a8e0a3 (このIDを非表示/違反報告)
紅玉 - 完結おめでとうございます！！！！尊いのと可愛いので私はギュンギュンしまくってました！！！！(ギュンギュンとはキュンキュンの進化系です！！！！) (2021年2月7日 12時) (レス) id: 835185f078 (このIDを非表示/違反報告)
(=^・^=) - 人虎に会いたい…。 ｂｙ芥川 (2020年12月1日 15時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
(=^・^=) - 厳しいわ。 (2020年12月1日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
さくら餅(プロフ) - ☆天香☆さん» ありがとうございます！！すっごく嬉しいです！文ストはキャラクターひとりひとりが個性的で大好きなので、つい絡ませちゃいます笑コメントありがとうございました！！ (2020年3月12日 21時) (レス) id: 0223a8e0a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら餅 | 作成日時：2019年10月4日 16時
