赤い糸で繋ぎ止めて 【霊幻新隆】

赤い糸25 ページ25

「そもそも、霊幻さん、なんでテレビ出たんだろうね」


友人宅、お風呂上がりにアイスを食べている最中にそんな疑問が友達から出た。


考えてみれば、確かに。どうして急にそんな有名になったんだろう。モブくんは最近、霊幻さんの事務所には行っていないと言っていたのに。


「もしかして……あの二人、なんかいざこざがあったのか」


私と霊幻さんがちょっとトラブルを起こしたように、モブくんと霊幻さんが少しすれ違っていたとしたら。


あの人がむきになって滅茶苦茶に依頼を受けて知名度を上げたのだとしたら、納得できる。


そういうところは子供っぽいんだから。


あくまで、想像にすぎないけれどそれはあの人に当てはめると現実味を帯びていく。


自業自得で、どこか滑稽……だけど、私はそれを笑ったりしないから。だから、また霊幻さんが笑っていてくれる日常に戻りたい。


私の大好きな、霊幻新隆さん。


「速報！霊幻さん明日、会見開くって！」


スマホを見ながら友達が叫ぶ。


「明日、土曜日だけど……ここで見ていいかな？」

「良いよ。一緒に見よう」


どうか、明日の会見が無事に終わりますように。

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