赤い糸12 〜霊幻新隆side〜 ページ12
朝。だるいと思って目を覚ませば、案の定高熱が出た。
まぁ、昨日色々考えすぎたしキャパオーバーだったのだろう。一人で納得する。
再び部屋を暗くして布団の中に戻ると睡魔がやってくる。今日は休業にして休むか……。目を瞑りモブにメールしないとな、とか考えているうちに意識が途切れた。
「……やべぇ、何時だ」
掠れた声はガラガラで喉が痛い。マスクするのを忘れたと思い起き上がると、枕元に飲み物が置いてあった。
「(モブ……？)」
飲み物に貼ってある千切った紙に書かれたお大事に、という字は不恰好に並んでいた。
不法侵入しやがった……。
素直に喜ぶべきなのかもしれないが、不法侵入は良くない。熱が下がったらお説教だ。
「霊幻さん？」
カタン、と廊下から音がして聞き慣れた声がした。
「鍵、空いてましたよ……？不用心ですね」
スーパーの袋を片手に俺の前に立ったこいつに、本当に本人だろうか、なんて思ってしまった。
いや、万が一俺が見ている幻覚なのだとしたらかなりキてるな。
「モブくんから熱出してたって聞いて、勝手にお邪魔させてもらいました」
「あぁ」
「声、ガラガラじゃないですか。喋っちゃダメです。ジェスチャーしてください！」
無茶振りかよ。ジェスチャーの方が頭使うじゃん。熱上がるわ。
思っても口にできないのは結構不便で、だからと言ってこんな下らない内容をジェスチャーする気にもなれなかった。
「何か、食べましたか？」
問いかけに首を振る。
「プリン買ってきましたから、食べてください。寝起きに、しかも弱ってる時に固形物は良くないので何か胃に優しいもの作りますね」
キッチンの方へ歩いていく姿に、私服なことに気が付く。わざわざ来てくれたんだよな、あいつ。
いつもは学校終わった後に家に帰ってそのままお使いに来るから、私服なんて初めて見た。
「……ちょっ！冷蔵庫何にもない！！困ったなぁ」
いつも外食かコンビニくらいで済ませるから、仕方ないだろう。
「不健康ですよ！お味噌汁くらいは作れば良いのに」
そこまで和食好きじゃない、とは言えず適当に頷くと呆れたようにため息が返ってきた。
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さくら餅(プロフ) - 抹茶さん» ありがたいお言葉頂けて光栄です！！もどかしい時間が長かった分、きっと未来では二人で幸せに暮らしてます！ (2019年9月2日 19時) (
レス) id: d6eb335a4b (このIDを非表示/違反報告)
抹茶(プロフ) - とっっっっても面白かったです！！未来の2人が幸せに暮らしているところが自然と思い浮かびます！ (2019年9月2日 19時) (レス) id: b5b208b71b (このIDを非表示/違反報告)
さくら餅(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» コメントありがとうございます。嬉しいです！応援は執筆の力になりますので頑張ります( ´∀｀) (2019年5月2日 15時) (レス) id: d6eb335a4b (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - この作品もお話とっても素敵です！作者様の事陰ながら応援しています！体調に気をつけて無理をなさらずに更新頑張ってください！ (2019年5月2日 15時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら餅 | 作成日時：2019年5月2日 12時
