95 目指すは ページ9
妹を追いかけようと家の外に出ると、急にめまいがして少しふらつく。
それから変な感じがして後ろを振り返ると、現代的で綺麗な内装だった家が、荒れ果てた家に様変わりしていた。
まさか、先ほど前世の家に見えていたのは幻覚なのか？元々家に施されていた魔術か、はたまた妹の家系魔術なのかもしれない。
ともかく、妹は冷静さを失った様子だった。一直線に向かう先といえば、おそらく元13冠のもとだろう。
――雷皇・ルキフグス。現13冠のバールの前任だ。
金に恐ろしいほど執着し、噂では13冠でいるよりも儲ける話が出たとかで、自主的に辞任したらしい。
ニュースではどうやらルキフグスが首謀者であると報道していた。はたしてそれが本当なのかはわからないが、そこに向かうほかあるまい。
しかし、妹の姿はすでに遥か遠くに消え去った。闇雲に同じ方向に向かっても、はたして見つかるか不安だ。
どうにかして最短距離で居場所を突き止められたらいいのだが……
「アリスくん！無事か？！」
すると聞き覚えのある声に呼ばれ顔を上げると、魔関署警備局長のアザゼルさんが空から降りてきた。
数人の部下を引き連れ、何やら急いでいたようだ。
「えっと…どうしてここに？」
「そんなことはどうでもいい。アスモデウス邸を襲撃した犯人はどこに？」
「……おそらくルキフグスのところです」
「なにっ！？」
どうやら一連の出来事は把握しているらしい。
それにしても随分と早い動きだ。俺が家から居なくなってからそれほど時間は経っていないのに。警備局というのは、本当に仕事ができる組織なんだな。
｢我々が急いで向かう。アリスくんは早く母君の元へ｣
｢待ってください！あの子は…俺の妹なんです。ついて行かせてください｣
あの子を救うのは、俺しかいない。
妹を犯罪者になんか、させてやるものか。
｢……わかった。しかし、危ないことは絶対にしないでくれ。アムリリスさんに顔向けできなくなる｣
以前は恐ろしかった赤い悪魔も、味方になれば心強い。
俺とアザゼルさんたちは、ルキフグスが居るという邸宅へと向かうことになった。
どうか最悪な事態になっていませんように。
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南条(プロフ) - 雪見大福さん» コメントありがとうございます！労いのお言葉大変染みます〜次回作も考え中ですので、気長に待っていただけると有難いです！ (2022年10月28日 8時) (
レス) id: 97d2c6287f (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください！楽しみにしてます (2022年10月22日 23時) (レス) @page23 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
南条(プロフ) - 朱莉さん» 温かいコメント有難うございます！そのような声をいただけると作者冥利に尽きます。楽しんで読んでいただきありがとうございました！ (2022年10月10日 23時) (レス) id: 97d2c6287f (このIDを非表示/違反報告)
朱莉(プロフ) - 完結お疲れ様でした。設定がめちゃくちゃ好みで、いつも更新される度にワクワクしながら拝読してました。凄く面白かったです！素敵な作品をありがとうございました！！ (2022年10月10日 22時) (レス) @page23 id: 4569dbbd6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：南条 | 作成日時：2022年8月28日 23時
