ヤンデレホストと愛され黒服ちゃん【実況者】 (ページ6)

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水をサラサラと流したような声をしている明奈様は、掛けのことには何も触れずに、卓に座ると、淡々とキャストにラッセンを頼んだ。

os「明奈ちゃん、前のシャンパンタワーのことやけど…」

耳を澄ませて卓の会話を記憶する。

an「マンちゃん、後で写真撮ろーね！」

os「掛けした金額覚えと…」

gt「おーい！！A！」

壁際でコソコソと盗み聞きをしていると、手一杯なぐちつぼさんから手伝ってほしいと頼まれごとを受けてしまった。はぁ…と肩を落とし裏に続く扉へ向かうと、トントンと後ろから肩を叩かれる。

『はい…？』

an「マンちゃんと何話してたの？」

チップをくっつけてあるのだろうか、鋭い爪は今にも私の頬に触れてしまいそうだ。冷静に、ゆっくりゆっくりと答える

『否、姫様が掛けを払っていないということなので、その相談を受けていただけですよ』

その瞬間、どんと付きとばされプラスチックの扉にガシャ、とぶつかってしまう。

『痛った…』

明奈さまは、鋭い形相でこちらを見ていた

an「私だって！体を売ったりして必死に稼いでんのよ」

胸ぐらをぐわ、と掴まれる。きつくワイシャツを着ているからかぎゅ、と首が締まり呼吸が荒くなっていく

『ひ…めさま、はなして、ください…』

an「男に囲まれて！さぞ楽しいんでしょうね！！」

『ちが…』

突然、明奈様の髪が揺れた、否、肩も膝も震えている。それほどの寒気、恐怖。

os「二人共、そんなところで何しとるん？」

目を極限まで細めたオスマンさん。そこから樹海のように翠な瞳が覗く

an「ま、マンちゃん、これは、ちがくて…」

os「よくわかんないめう…とりあえず」

ちろ、と舌を出す。彼は袂から請求書を取り出した。

os「掛けの金額＋違約金で、ざっと700万、払ってな？」

泣きながら崩れる明奈様。彼女がどれだけ頑張ってきたかのは彼女の腕から覗く傷でひしひしと感じられるが、コレは決まりだ、払ってもらわなければいけない。

『オスマンさん、遅いですよ…』

少し跡のついた首をさすりながら、かれをジトッと見つめる。恨んでも仕方がないが、痛かったのだ、責めたい気持ちもわかってほしい。

os「本当は、ちょっと早く現場についとったんやけど…」

『は…じゃあ、なんで…』

瞼が大きく開かれる。其の緑色は、飴のように溶けていた

os「Aちゃんの苦しそうな顔、可愛かっためう」

纏わりつくような声、さっきとは別の寒気に襲われた