ボクはボク、キミはキミ (ページ3)

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ボクとキミページ3

〜要side〜
来てほしくない日が来てしまった。
ボクは重い身体を起こしベットからでる。
今日から〘2度目の1年生〙だ。

要「はぁ...めんどくさい。」

着慣れたブレザー...ではなくパーカーに袖を通す。校則はユルイからちょっとぐらいアレンジしても怒られない。

要「朝ごはんいらないから。行ってきま
す。」

母はボクの事なんてこれっぽっちも気にしてないようだった。

静かな家から逃げるようにボクは登校した。

～学校～
廊下を歩いていると2年生にヒソヒソ何かを言われ、笑われる。気にしていても仕方ない。

要「さすがに早く来すぎたか。」

誰もいない教室の鍵を開け、独りつぶやく。新入生は新しいクラスを見るので忙しいようだ。ガヤガヤと外がうるさい。

要「ボクはそんな必要ないけどね。」

自分の席に座りイヤホンをつける。
最近のお気に入りの曲を再生する。周りの音は聞こえなくなった。

～30分後～
ガヤガヤとうるさくなった教室。見たことない顔ぶれのクラスメイト達。
ガラッと扉が開くと、見たことある顔の先生が入ってきた。恐らくここの担任だろう。

先生「新入生の皆さん。おはようございま
す。それでは出欠確認を...」

A『ギリギリセーフっ！間に合った
ぁ！』

きっとボクの隣の席の子だろう。
あと1分で遅刻になるところだった。

先生「金森さん、入学早々遅刻ですか？早
く席に座りなさい。」

『金森』と呼ばれた彼女は、罰が悪そうにボクの隣に座る。

要「……」

A『よろしくね。冴島くん！』

金森さんはそう言った。はっきりと〘冴島くん〙と。

クラス発表の名簿には性別も記載されている。

ボクの性別は〘女〙だ。

だが、ショートカットにスボンスタイルの制服、ネクタイ、パーカーといういかにも〘男〙の外見をしている。
しかし、性別欄には〘女〙と記載されていたはずだ。

彼女はボクのことを〘冴島くん〙と言った。

ボクはそれが少し嬉しかった。