君で溢れる【梅原裕一郎】

中島家の日常 ページ13

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『中島A、高校を卒業しました！』

「おめでとう！あ、中島ヨシキです。中島家の日常、今週も始まりました」

『よろしくお願いします』

「今週は卒業シーズン＆Aの卒業おめでとう回をお送りします〜。どう？高校生活は楽しかった？」

『もうめ〜〜〜っちゃ楽しかったよ！行事もそうだし、友達に恵まれた』

「そうだね、たしかに。そんなイメージあるわ」

『こんなに楽しかったのはよっちゃんのお陰でもあるんだよ』

「俺なんもしてないじゃん。せいぜい送迎くらいだよ」

『そんなことないって！バスケの授業中に吹っ飛んだ時だってすぐ来てくれたじゃん』

「保護者として当然のことだよ。だから相思相愛じゃん」

『彼氏なの！？もう彼氏で良くない？だめかな？』

「だめだよ、だから来世だね」

『うん。あ〜、来世でも兄妹な気するなぁ』

「それ俺も一瞬思った」

『だからさ、この流れで変だけど私よっちゃんに手紙書いてきたんだよね』

「いやほんとにどういう流れ？」

『よっちゃんへ』

「あっ始まった」

『よっちゃんは家族の誰よりも私に甘くて、でも厳しいところもあって本当に大好きです。私が小さい頃に病気をして何回か入院したりした時、ずっとそばにいてくれたのはお母さんとよっちゃんです』

「あ、僕とAの間に一人とAの下に一人なので僕ら4人兄弟なんです」

『急な情報すいません。私はそんなよっちゃんが王子様に見えて、だから家を出るって言った時もう一生会えないんじゃないかと思ったから一緒に暮らしたいって言いました。念願の一人暮らしを邪魔しちゃってごめんね。
よっちゃんをずっと追いかけてたから声優になったとき、どうしたら私もそうなれるか考えて81オーディションを受けました。よっちゃんが世界中の人に嫌われても私は絶対よっちゃんの味方です。だからこれからもお兄ちゃんとして、そして先輩としてよろしくお願いします！Aより』

「めっちゃ嬉しいけど俺なにしでかしたんだ。世界中の人に嫌われるレベルって」

『浮気とかでしょ』

「そりゃ嫌われるわ。いやぁ、ありがとう。嬉しい。手紙とか久しぶりに書いてもらった気する」

『ちっちゃい頃はよく書いてたもんね』

「チラ裏にね、今では成長してレターセットとか使ってるよ」

『ほんと成長。これもよっちゃんのおかげ』

「そ、そうかな……？よく分からんが」

『まあ、今日はこの辺で終わりにしよう』

「そうだね、また来週〜」

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