人類最強が最も愛した兵士長part3【進撃の巨人】

~＊story54＊~ ページ5

寒い冬が過ぎ、暖かい春の兆しが見えてきた


まだ風は冷たいが日差しは暖かい


雪は降らなくなり、太陽が顔を出す


そんな気候は私達にピッタリで、今日ははじめてリヴァイと出掛けることになった


「う〜ん…どんな服が好きなんだろう…？」


持っている私服を全て出し、あちこち合わせてみる


しかし、リヴァイの好みが分からなくて迷っていた


私としては大人っぽく、可愛い感じの服が好きなんだけど…リヴァイはどんな服が好きなんだろう…？


他にないかクローゼットを開けてみると、目についた綺麗なブルーグレー色のワンピース


「…こ…これだっ！」


リヴァイと同じ瞳の色にピンときた


待ち合わせ時間まで残り20分になっていたので、私は急いで着替えた









「ﾊｧ…っ…ﾊｧ…っ…」


急いで着替え、軽く髪の毛を上げていたせいで時間がギリギリになってしまった


私は走って待ち合わせ場所に向かう


あ…っ…来てる…！


すると時間を確認するリヴァイの姿が見えて、私はもう一走りした


「リヴァイ…っ…！お待たせ…っ…！」


息を整えながら話し掛けると、リヴァイは此方に振り向いた


ドキッ…


いつもと違う優しい雰囲気のリヴァイは、私服がカッコ良くて、とても似合っていた


「あぁ、俺も今来た所だ」


「そ、そっか…良かった…！」


私がそう言いながら微笑むと、リヴァイは私をジロジロ見始めた


…あ…私走ってきたから髪の毛とか崩れちゃってるかも…！


心配になり髪の毛を弄っていると、握られた手


驚いて振り向くと、リヴァイは視線を逸らし顔を腕で隠していた


「…その服…似合ってる…」


ボソッと呟いたその言葉を私は聞き逃さない


「…ほ…ほんと…？」


所々見える赤い顔を見て、私まで恥ずかしくなってきた


「リヴァイも…似合ってるよ？カッコいい…！」


可愛いリヴァイを見ながら笑顔でそう言うと、今度は耳まで赤くなった


「お前…よく言えるな…」


そう言いながら口元を緩ませたリヴァイ


その表情はとても柔らかくて、また心臓が鳴った


「…じゃあ行くか、ここだと他の兵に見られるしな…」


元の顔色に戻ったリヴァイがそう呟き、手を差し出す


「…ん…？」


そんなリヴァイに私は首を傾げた


「馬鹿か…手…繋ぐんだろ…？」


ん、と言いそうな顔で手を差し出すリヴァイ


「あ…そっか…！」


私は納得し、リヴァイの手を握った


その手はとても暖かくて安心した

~＊story55＊~→←~＊story53＊~

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す