人類最強が最も愛した兵士長part3【進撃の巨人】

~＊story72＊~ ページ23

「エリサ！ダメ！！」


エリサが叫びながらあの奇行種に一人で飛び掛かった


私の引き止める声も聞かずに


「エリサ！一人では危ない！！エリサ！話を聞いて！！」


「お前なんか！！斬り殺してやる！！」


そう言いながら関節部分に斬りかかったエリサ


するとその巨人はパッと避け、エリサはそのまま地面に突っ込んでしまった


「エリサ！！」


私達は呼び掛けるが応答がない


「エリサ！起きなさい！立って！！」


私がそう言った時、巨人はエリサをパクっと口に含み、バキバキと音をたてて喰い始めた


「え…エリサ…」


するとペッと吐かれた物は頭だけで、私の血は頭に上っていった


「…ジン…行くわよ…」


「…あぁ」


低い声でそう言うと、ジンは察したのか私を見ずにいつもの体勢に入った


そして瞬時に背後から斬りかかった私達


まずは前足


関節部分を深く斬り、そして後ろ足の方を斬った


動けなくなった足の次は目とうなじ


そして私が目を斬りつけようとしたときだった


「危ない！！」


ジンの叫び声にハッとした瞬間、私は地面に叩きつけられた


「ｶﾊｯ…っ…！！」


「A！！」


朦朧とした意識で巨人の方へ向くと、四本足で動き回り、ジンを狙っていた


…え…四本足で動いてる…？


そんなに早く回復なんてできるわけない、それなのにもう回復してるなんて…


いや、そんなことを考えてる暇はない


痛む体を起こし、私はまた巨人に飛び掛かった


そしてジンと連携しながら皮膚を削いでいってるときだった


ズキッと痛んだ右足


私は体勢を崩してしまい、そのせいで目の前には巨人の口があった


あ…もう……駄目…っ


そう思い目を瞑ったが、聞こえてきたのは痛々しい骨が折れる音


しかし私の体に異変はない


恐る恐る目を開けると、巨人の口の中には下半身食べられているジンがいた


「ジン…！！」


「A……す…ま…ない…」


途切れ途切れでそう呟いたジンの言葉が最後に、ジンは飲み込まれた


「う…そ…でしょ…？」


あんなに強かった私の大好きな班のメンバーはあっという間に目の前から消えてしまった


「こんの…野郎…っ！！！」


私が飛びかかろうとしたときだった


…立体起動装置が動かない


「え…ちょっと待って…なんで…！？」


まさか…地面に叩きつけられた時に…！？


絶望に包まれた私を見て巨人は楽しそうに私を食べようとした


「A！！！」


私の愛しい声が聞こえてきた

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