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呟き ページ8

「那月、なんで道に迷うネ?」

並んで歩いていると、神楽ちゃんがひょこっと顔を出した。

あー、それはねー……と目を逸らすと坂田さんは

「なーんかなァ、那月ちゃんって垢抜けないよなァ。…もしかして田舎っぺか?」

と心にグサッと来ることを笑いながらいう。

「あー銀さんはまたぁ。増田さんは女の子ですよ?…ほんとにすみません…」

「い、いいんだよ、本当だから…気にしないで……」

そんな下向きながら言われても説得力ないですよ…と口を引き攣らせる新八君。


「坂田さんの言うとおりなんですよ……今日初めて上京してきてさ…」

憧れてた大都会がこんなに難しい所なんて…

ため息をつくと、ふーん…と口から零した坂田さん。

「そんな事ねェと思うがね。みんな呑気にやってるぜ?」

あと、坂田さんとか慣れてねェからさァ、銀さんとかでいいぜ?

と、にひひと笑った。


…ちょっとだけ、夕朔の笑顔を思い出して懐かしい。


「…なにニヤニヤしてるアル?あ、もしかして銀ちゃんに惚れたアルカ?!」

「おっ、マジで!?いいぜ?一緒に住むか!?」

いや、冗談じゃねえわ。

「…銀時さんはねえわ。(ボソッ)」

しまった、と思い銀時さんを見ると、青ざめた顔と笑いをこらえる神楽ちゃんの顔が覗けた。

「那月ナイスアル」

「さささ、さぁせん!!」

勢いよく謝ると

「オイオイィ……全否定はねえだろォよォ……」

と子供の様にいじける銀時さんの姿があった。

申し訳なくおもったが、楽しくなって

フフッ、

と笑ってしまう。

「…ひでェよ……」

怖かった江戸も、結構楽しくなりそうです。

____

「…ここだな。」


仕事がんばれよ、と言ってくれた。


「ありがとうございました!」

「那月ありがとアル!またナ!」

じゃあねー!と大きく手を振っていると銀時さんは何か思い出したように駆け寄ってきて、

「…思い違いだったらすまん。
確か増田家、といったら、伊賀忍者の末裔だったか…と思うんだが。」

と耳元で呟いた。

えっ!?と顔をあげると、その背中はもう小さく、こちらを向いて手を降っている。


……思い出した、あなたは…

…『白夜叉』と呼ばれた伝説の攘夷志士……

…坂田銀時…

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作者名:師走 | 作成日時:2017年1月29日 20時

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