恐怖 ページ5
「ひっ、ひェエェエエエエッ」
都会人の視線がこちらに向く。
はっ、と我に帰り口に手を当てた。
ひいい、とんだ恥かいた…
に、してもこの建物……
「大き過ぎるでしょ…」
父上、憧れのお江戸に到着しました。それと共に私は今泣きそうです。
噂通り、おおっきな鉄の建物だってあるしなんだかみんな笑っている。
しかし最も驚いている所。それは、
「ひ、人が多い…よぅ……」
これが世にいう五月病ってやつですか。早くもホームシックです、長老様。
なんだここは!?祭りか!?正月か!?
驚くことばかりです。
今朝の楽しみはどこにいったのやら、今は不安、不安しかない。
ぐぬぬぬ…これじゃ依頼者の家も探せんよ……
夕朔助けて……((
とぼとぼとアテもなく歩いていく。
何かいい方法はないか……
使えない頭をフル回転させてそれを考える。
もうホームシックで頭はプチパニック状態だが、野宿はどうしても嫌だ。仕事をすぐ終わらせて家に帰りたい。
「うーむ……」
……ちょ、待てよ?
人に尋ねればええやん?
「人に尋ねればええやんか!!!!」
またもや都会人の目線が刺さるが、もうこの際そんな事気にしてられまい。
警察とかないか、ととにかく走りまくる。
しかし、そこは本来来てはいけない所だった。
田舎っぺの私にはここの真の怖さがわからない。
知らぬ間に入り込んでしまった…
…かぶき町の(色々な意味での)怖さを。
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作者名:師走 | 作成日時:2017年1月29日 20時