検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:711 hit

重大ニュース ページ2

「おーい!那月姉ちゃぁあん!!!!」

村をほっつき歩いていると、聞きなれた声と声量がこちらに向かって来た。

全く、鼓膜が破れるくらいの破壊力だ。

「…うるさいヤツだなぁ、何もそんなに大声を出さんでも良かろうに。」

「違うんだよ!重大ニュースなんだってば!!」

必死な顔になって説明しようとするこいつは夕朔、私の実の弟にして剣術の弟子だ。

重大ニュース?と聞き返せば、首を上下にぶんぶんと振り、

「そうそう!姉ちゃんを呼んでこいって長老様と父上が言ってたの!」

長老様と父上が…?それはそれは大事だろう。しかし其の内容がわからん。

「…して、夕朔。其の内容をお前は知ってるのか?」

膝立ちでしゃがみ、夕朔と目線を合わせる。肩を掴んで目を見て見ると、

「ううん、それは知らないんだ。でも、長老様と父上が呼ぶんだったら相当の事なんだろうなって思って!」

と笑った。

「それはいい判断だ。流石増田家の息子だな。」

頭をぽんぽん、と撫でるとまたもやにひひ、と満足気に笑う。

「そうだな、よっぽどの事だろう。…よし、姉ちゃんは今から本家に行ってくるから、夕朔は大人しく待っていなさい。わかったね?」

「うん、わかった!俺家に戻ってるね!」

叫びながら手をぶんぶん振って走り去っていった。

なんて風のようなヤツなのだろう、なんて思いながら先ほどの話を思い出す。

……しかし、長老様がお呼びとはもしかしたら村の事かもしれない。

小さな村だ。存続も危ないのは承知の上なのだが…

やはり故郷が無くなるのは寂しいものだ。

急がなくては、と体を本家に向けて歩き出した。

依頼→←退屈



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:師走 | 作成日時:2017年1月29日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。