経験値13 ページ15
貴方はどうしてそんなにも、お人好しなんですか。
チョロ「た、立てますか…?」
子供みたいに泣く私に手を差しのべる。
「っ…はい……大丈夫です…」
素直に手を取る私。
なんて生意気なのか。私には人に頼る権限などないはずなのに。関わってしまったら、貴方まで傷ついてしまうのに。
チョロ「気を付けてください…?あ、脚…!大丈夫ですか!?」
竦んだ脚には、少量の擦り傷が。
「…そんなに心配為さらなくても大丈夫です……それより、貴方も用事があったのでは?」
また、自分から遠ざける。これ以上関わってしまってはいけない。
チョロ「そんな事より怪我の方が大事ですよ!跡になったら大変です…!」
そんなに優しくされたら、誤解してしまう。私が幸せと思ってしまう。
「だ、大丈夫ですよ…っ!?」
チョロ「ダメです!!こんな怪我、処置しないと!」
ひょいと持ち上げられて、おぶられる。確かに少し傷が痛むが流石に1人で歩けるのに…
そんな事思いながらも、頼ってしまう自分がいた。
広い背中に乗せられる。
チョロ「大丈夫です。家、近くなので。僕兄弟の怪我の処置で慣れているので…はは」
「そうなんですか…優しいんですね」
確かに、長男肌な気がする。そうか、だから誰にでも優しくできるのか。私なんかでも。
チョロ「やさっ……っ!?そ、そんな事ないですよ!兄弟達が頼りないだけで…あ、着きましたよ!、」
やけに慌てている。…急いでいたのか?悪い事したな…。
着いたのは古く、年季が入っているけど、とても大きな家。
松野さんが勢いよく扉を開けた。
チョロ「た、ただいまー!!」
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作者名:師走 | 作成日時:2016年5月13日 23時