日常56:思っている以上に ページ7
＊総悟サイド
｢ほんとにごめん……｣
｢……｣
桜がそっと優しく俺の頬に触れる。ズキズキ痛むのになぜだかそれ以上に暖かくてくすぐったい。
そんな心配そうな目で、泣きそうな目で見んじゃねェ。
俺はくしゃっと桜の頭を撫でた。
一瞬驚いた顔をするがすぐに安心したようにふにゃっと桜の頬が緩む。
……つくづく俺はこいつに惚れてるなと実感させられる。
｢……で、なんであいつと一緒に帰ってんでィ｣
｢え｣
｢なんであいつの服着てんでィ｣
｢え、ちょ｣
俺は戸惑う桜をよそにあいつの学ランを桜から剥ぎ取った。なぜか少しだけ湿っている桜の制服。
｢……なんで濡れてんでィ｣
｢色々成り行きが……わぷ｣
俺は自分の制服を脱いで桜に羽織らせる。
｢これ着てろィ｣
みっともねェな、こんな感情。
俺は自分が思っている以上に嫉妬深いらしい。
｢他の野郎の匂いがついた服なんか着んじゃねェよ｣
｢……へへ｣
｢……なに笑ってんでィ気持ち悪ィ｣
｢総悟の匂い好きだなーって｣
｢！｣
こいつは俺のことをポーカーフェイスだの無表情だの言うが、こんなこと突然言われたらリアクションもとりづらいに決まってる。
遅れてやってくる体温の上昇を隠すように俺は顔を背けた。
｢……チッ｣
｢な！舌打ち！？｣
この謎のイラつきに名前をつけるならまぁ独占欲。そして嫉妬。あとは……そうだな。
｢わ、そ、総悟……？｣
俺はゆっくりと桜を抱きしめた。無意識に。
愛しさ……つーのか？
よくわかんねェがこうせずにはいられなかった。
｢……｣
｢あのー……ここ外……｣
｢………あーーーーーーーー腹立つすっげェ腹立つ｣
俺は思いっきり全身の力を腕に込める。
ぎゅうううううっと締め付けられる桜の小さくて柔らかい体。
｢ぢょっ……ぐるじいっ……！！死ぬゥ！｣
｢ちゅーとかされてねェだろうな？｣
｢されてない！されてないから離してェェ！！｣
……とりあえずあの野郎次会ったらぶっ潰してやらァ……。
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さくらんぼ(プロフ) - み。さん» 返事遅れてすいません！更新遅れていますが必ず更新しますのでまた見に来て頂けたら嬉しいです！ (2019年6月20日 17時) (
レス) id: d49ab2e33b (このIDを非表示/違反報告)
み。 - 頭の爽やかな高校教師w 更新頑張ってください！ (2019年2月10日 21時) (レス) id: e459f629a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらんぼ | 作成日時：2018年10月22日 17時
